お好み×コネクト 岡田良昭気象予報士 仕事の流儀
- 2023年03月31日
お好み×コネクトのコーナーに視聴者の方からまた“密着”のリクエストをいただきました。松尾剛アナウンサーに続き、今度は「お好みワイドの気象キャスター、岡田良昭気象予報士の日常を知りたい」というもの。お好みワイドのスタッフが岡田さんの“仕事の流儀”を徹底取材しました!(お好みワイドスタッフ)
わずかなサインも見逃さない
私たちは岡田さんの通勤から密着させてもらいました。代わり映えしないことの多い通勤の風景も、岡田さんにとっては気象キャスターとしての嗅覚を研ぎ澄ませる場所です。あるものに目を留めると、足を止めて写真を撮り始めました。
岡田さん
これはナズナっていう花でぺんぺん草ともいわれている花。春の七草の1つなんです。春はサクラとかウメとかモモとかメジャーなものはいっぱいあるんですけど、通勤途中さりげないところに咲いている植物って、生活に密着していて大事かなと思っています。
徹底分析 自らの手で
「お好みワイド」と夜のニュース番組などを担当する岡田さんがNHK広島放送局に出勤するのは昼すぎのこと。まず目を通すのが、気象庁が発表する予報です。これを30分以上、読み込みます。しかし、岡田さんはこの予報だけに頼ることはしません。
岡田さん
気象庁の予報をそのまま使ってもいいんですけど、皆さんが知りたいのは細かい所だと思うんです。雨が降るにしても、どんな降り方なのか、多少の晴れ間はあるのか、ずっと分厚い雲が広がるのか…。そこを伝えるため、天気図は必ず自分でも分析しています。
“年10日”のために
岡田さんの持ち味といえば、イラストを使った気象解説。イラストを描く時間はおよそ30分かかります。鉛筆で下書きしたあと、丁寧に縁取りをして、仕上げに色を塗る…。気象解説にイラストは必ずしも必要ではありませんし、手間がかかる作業ですが、欠かさず続けてきました。どうしてそこまでするんでしょうか…。
岡田さん
1年365日のうち10日くらいは大雨になって避難指示が出て、災害が発生してもおかしくない状況になることもあります。私はその“10日”の天気予報を一番皆さんに見てほしいんです。
イラストで天気予報に親しみを持ってもらい、イラストを通じてふだんから視聴者の方とコミュニケーションをとっていれば、いざというときも天気予報を見てくれるはず。イラストはそのための手段の1つなんです。
大切なのは“伝わること”
イラストを完成させた岡田さん。準備の仕上げに取り組むのが、自分が読み上げる原稿の作成です。どんなことを気をつけているのか、聞いてみました。
岡田さん
難しい言葉はなるべく使わないようにしています。例えば「断続的な雨」という言葉。パッと聞いても分からないですよね。だから「雨が降ったりやんだり」と言いかえるんです。お子さんからご年配の方まで“伝わる”天気予報を心がけています。
これまで書いた原稿は、すべてノートに残してあるという岡田さん。その数は30冊にのぼります。どうしたら“伝わる”か、試行錯誤を繰り返した軌跡です。
岡田さんのこれから
8年間、気象予報士として活躍した岡田さん。実は4月からいったんその仕事を離れることになりました。その決断も、実は“理想の気象予報士”を目指すステップの1つだと私(筆者)に教えてくれました。仕事をご一緒した岡田さんは私にとって、忙しい時でも嫌な顔一つせず丁寧に対応していただける頼れる同僚の1人でした。そんな岡田さんが広島を離れることは寂しいです。いつの日か“理想の気象予報士”となって再会できる日を待ち遠しく思っています。
最後に、岡田さんに皆さんへメッセージをいただきました。
岡田さん
3月末で広島局を離れ、4月からはIT関係の仕事に就くことになりました。新しい挑戦に向けて一歩踏み出します。前向きなキャリアチェンジですので応援していただけたらうれしいです。今後は「気象予報士×IT」の私にしかできない道を探していこうと思っています。これまで応援してくださった皆さん本当にありがとうございました!
岡田さん、お疲れさまでした!