好きなんよ広島 無責任飼い主ゼロの街に 佐々木博文さん
- 2023年03月30日
広島の皆さんに地元への思いを語ってもらう「好きなんよ広島」。今回は、広島市を拠点に、飼育を放棄された犬や猫を保護しながら、広島を「無責任飼い主ゼロの街」にしようと取り組む佐々木博文さんです。
(広島放送局アナウンサー 櫻井千晶)
佐々木さんが運営している団体は、広島市内の2か所と都内のあわせて3か所で、飼い主が飼育を続けられなくなった犬や猫を保護し、新たな飼い主につなぐ活動を続けています。
毎日、食事の用意や掃除、タオルなどの洗濯を行います。私が取材をした日は、朝8時に始まった作業が終わった時には正午を過ぎていました。
佐々木博文さん 「かわいがるだけが動物愛護ではなく、掃除が一番の基本。これを分かってない人が多いんですよ」
団体の活動内容は定期的にインターネットで発信。共感した一般の人たちからの支援が活動を支えているといいます。
佐々木博文さん 「物資はほとんど支援ですよ。フードも7割ぐらいが支援物資ですね」
佐々木さんが保護活動を始めたきっかけは20年余り前、ペットショップを経営していた頃にあります。多くの犬や猫が殺処分されているという記事を読み、自分が原因の一端を担っていると感じたことでした。
佐々木博文さん 「『大丈夫ですよ、しつけは簡単です』なんてことを言ってペットを売っていた。信じて買ったお客さんが『違うじゃないか』みたいになってペットを捨てていた事実があった。これはいかんなって」
それから佐々木さんは保護活動に比重を移し、ペットショップだった場所は保護施設に生まれ変わりました。
活動において、佐々木さんが大事にしているのが「模擬飼育」。引き取りを希望する人に1か月程度、試験的に飼育してもらい、責任を持って飼い続けられるかを見極めてもらいます。
佐々木博文さん 「施設で犬や猫を見て、いきなり『かわいい、飼おう』ではなく、1回連れて帰ってもらって、様子を見てもらいます。1か月暮らせば、その子のいいところも悪いところも分かるので」。
広島を「無責任飼い主ゼロ」の街にしようと取り組む佐々木さん。お気に入りの場所は、施設のすぐ近くにある喫茶店。「犬猫がいない環境もたまには作らないとね」と佐々木さん。今後は活動を継ぐ若い世代を育成しながら、広島を動物にも優しい街にしたいと考えています。
佐々木博文さん 「今のうちに若い子を育てて、僕は代表を引退してその方に代表をやってもらう。団体は無責任な飼い主がいなくなるまで100年でも200年でも続けていきたいなと」
保護の依頼が最も多いのは高齢者からで、飼い主が亡くなったり、病気になったりして、飼育できなくなったというケースが特に多いといいます。「動物を飼う前には、最後まで面倒を見られるのか、ぜひ考えてほしい」というのが佐々木さんの願いです。