G7広島サミット 被爆者からのメッセージ 畑口實さん
- 2023年03月28日
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畑口實さんは、原爆が投下された4日後、広島駅近くに父親を探しに行った母親のおなかの中で被爆しました。焼け跡から母親が見つけたのは、父親が身につけていた懐中時計とベルトのバックルだけでした。産まれながらに被爆者となった畑口さんは、自らが被爆者であることを周囲に話さずにいましたが、51歳の時、転機が訪れました。原爆資料館の館長に任命されたのです。世界各国の要人を案内し、父の遺品となった懐中時計を手に原爆について話をするなかで、被爆者であり館長である自分が伝えることの重みを感じるようになったと言います。原爆資料館の館長を退任した今も、ボランティアで資料館を案内したり、子供たちに被爆体験を伝えたりして、核兵器の非人道性を訴え続けています。首脳たちへの、畑口さんからのメッセージです。
『広島で開催する意義を考え 核兵器廃絶に向けての画期的な共同宣言を!』
畑口實さん(76)
「地元出身の岸田総理大臣が議長国として、この広島でサミットをとりしきるということで、核廃絶のメッセージを出すのにこれ以上の条件は今後ないと思う。ぜひとも、核兵器廃絶に向けての道しるべを示してほしい。広島の心を伝えて、広島の願う核兵器廃絶に向けて全力投球をしてほしい。参加する各国の首脳には原爆資料館を見たり被爆者の話を聞いたりして核兵器の非人道性を感じて欲しい。そして、それでも核兵器は人類に必要か、考えてもらいたい」
(年齢は取材当時です)