NHK広島 値上げでもお得に!前川キャスター年末の花き市場取材
- 2022年12月13日
12月に入るとお正月の準備が始まる花き市場。このところの物価高は花の取引にも影響しています。どんな影響があるのか、そして花をお得に楽しむ方法も教えてもらいました!(NHK広島 前川夏生)
花き市場はもうお正月!?
毎日1000~2000種類の植物が集まる広島市中央卸売市場・花き部。12月というと町はクリスマスムードですが、花き市場はもうお正月ムード。季節を1か月ほど先取りするそうです。お正月らしい松の木、葉ぼたん、門松などが並びます。
門松というと玄関先に大きなものを飾るイメージがありますが、小さな鉢植えサイズも家の中に飾れるということで人気だそうです。
さらに…
「再利用」できる正月飾りもありました。鉢には葉ぼたんなどの植物が植えられていて、金と赤の縄や「迎春」の飾りがついています。お正月が終わった後は、飾りの部分だけ取り外して観葉植物として育てられます。そして次の正月が来たら、とっておいた飾りを再びつけてまた正月飾りとして繰り返し利用できます。
物価高で苦しむ花農家
華やかな花き市場にも「物価高」の影響が。
コチョウラン栽培農家 今田徳之さん
「コチョウランを栽培していると、この時期でも日中は冷房、夜は暖房を使っているのでどうしても電気代などがかかります。燃料費が高騰したことで、暖房の温度を調整すると出荷が遅れてしまうこともありました。」
今田さんのように暖房費を節約してハウスの温度を下げたことで花の成長がおそくなり、出荷が遅れたところや、市場で取引される値段では赤字となってしまい出荷を見送った農家も。市場によるとコチョウランの出荷量も今年は例年に比べて減少しているということです。
花農家の工夫
そんな中少しでも花を高く取り引きしてもらおうと農家が工夫をしているものもあります。
まずはシンビジウム。普通に育てると茎はまっすぐ伸びますが
花が下に垂れるように支柱で茎を曲げるとさらに華やかに見えます。
松も同じように幹をワイヤーで曲げると寄せ植えに使うときに味わいが出ると人気だそうです。シンビジウムも松もまっすぐなものと比べると1.5倍ほどの値段が付くということで農家さんも工夫しています。
おトクに花を楽しもう
一方、私たち消費者も少しでもお得に花を楽しみたい!花き部で鉢物を担当している水原恭子さんに教えていただきました!
切り花は「グリーン」を使って!
緑の葉でボリュームを増やして、一部の花だけ入れ替えるとコストを抑えながら楽しめます。葉は花に比べると枯れにくいので一度購入すれば長持ちします。
葉のおすすめはユーカリやアイビー。水をきれいに保てばユーカリなら1か月ほど、アイビーは長くて1年ほどもつこともあります。花のおすすめはバラやストック。バラは香りがいいのはもちろん、花の中では長もちする方で、ドライフラワーにしても楽しめます。ストックは淡い色が多いので部屋の雰囲気にもなじみやすいです。
鉢植えは2通りの楽しみ方で!
鉢植えで育てた花は、自分で切って切り花にしても◎。ボリュームのある種類を選べば切っても切ってもまた生えてきます。鉢植えにおすすめの花はパンジー、ビオラ、ノースポールなど。
どれも屋外で育てられる花で、花を切っても切った場所からまた新しい花芽が出て咲いてくれます。特にノースポールは茎が長いので切り花にも向いています。
ほかにも…
茎が折れてしまった花も捨てないで!水に浮かべてみたり、紫外線に反応して硬化するレジンで固めたりと活用方法はたくさん。みなさんもお花を最後まで余すことなく楽しんでくださいね。