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推しが兵役に行っている間に 世界平和のために髪をささげたハナシ

「ある日、推しが活動を休止したら…」

私たちが推し活をしていると予期せぬことが起きることもあります。
昨年6月にはBTSが活動を休止、12月には最年長メンバーのJINさんが兵役へ。
当然ながら、推しがいなくなってしまうなら、推し活を辞めてしまうということもあると思います。
一方で、同じように韓国の俳優パク・ボゴムさんを推す女性。
推しが兵役に行っている間の2年、「私の推しは何をしてくれたら喜ぶだろうかー」ということを突き詰めた結果、ある行動にでました。
(#教えて推しライフ 取材班 ディレクター イノウエ)

※この記事は、あさイチ『#教えて推しライフ』(2021年1月6日放送)をもとに作成しています。

推しは「国民の彼氏 パク・ボゴム」

都内にお住まいの岡野裕子さん(53歳)。
推しは、韓国の俳優のパク・ボゴムさんです。

韓国俳優 パク・ボゴムさん

韓国ドラマ『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』や『雲が描いた月明り』、『青春の記録』に出演。
「ハンサムな顔立ち」、「高い演技力」、「完璧な性格」として、韓国では「国民の彼氏」と呼ばれ高く評価されている、注目の俳優です。

推し活は手作りグッズ作り

裕子さんがパクボゴムさんにハマったのは、5年前のこと。
グッズを作ることが得意で、オリジナルのアクセサリーや髪ゴムなどを手作りする推し活をしていました。

裕子さんが作った髪留め

裕子さんが一番お気に入りだというのが、寝室です。
これまで集めてきたボゴムさんのグッズに囲まれ、至福の時間を過ごす空間だといいます。

ボゴムさんグッズを飾った寝室

部屋の中に飾られていたのは「時計」
こちらもすべて手作りです。文字盤にはすべてボゴムさんの写真をあしらいました。
数字はひとつもついていません。

裕子さんが作ったボゴム時計
裕子さん

「笑っている顔がいいかなと思って、すべてボゴム時間になるように作ってみました」

ほかにも…ボゴムさんのことを妄想しながら作った「ボゴムハウス!」

ミニチュアの部屋の中には、テレビ画面にも、ソファの上のクッションにも、そして外壁にも「推し」の姿をあしらいました。制作期間は1か月ほどかかったそうです。

裕子さんが作った”ボゴムハウス”

※裕子さんのお手製グッズはすべて個人で楽しむ範囲で製作しています。

試練は突然に…

推すようになってから2年ほどたった2020年、裕子さんに試練が訪れます。
それが、ボゴムさんの入隊です。やはり、当時とても衝撃を受けたといいます。

裕子さん

「覚悟はしていたけど、やっぱりショックでした。長いな、待てるかなって…でも、どうすることもできないですし…。もしかしたら、熱が冷めてしまって除隊まで待つことができないかもしれない、とまで思っていました」

推しが喜ぶことを考えた結果…

裕子さんがボゴムさんを好きになったきっかけは、作品での演技でした。
しかし、ボゴムさん自身について知れば知るほどその「誠実な人柄」にひかれるようになったといいます。

裕子さん

「ファンミーティングなどでは周りの人やスタッフの方への気遣いがすごいところが見られて、彼は『美談の自動販売機』と呼ばれているんですけど、いろいろなエピソードを聞けば聞くほど、知れば知るほど素敵なところが見えてくるので、息子に近い年齢なんですけど、日々いろんな行動がすばらしいなと、人として見習うところが本当に多いんです」

韓国俳優 パク・ボゴムさん

パク・ボゴムさんは、これまで陰ながら児童養護施設への支援をするなど、慈善活動に力を入れてきました。

そんな彼を支えたいと、これまで推し仲間とともに力を入れてきたのが、撮影現場への差し入れ。コーヒーなどの飲み物はもちろん、食事のビュッフェなど、栄養があるものを届けてきました。

推し仲間と行った撮影現場への差し入れ

そして、彼が喜ぶことは何だろうと考えた結果、ボゴムさんのように寄付をするようになったといいます。
入隊中であっても、6月のお誕生日、8月のデビュー記念日は、推し仲間とお金を出し合って、これまで福祉施設や児童福祉施設などに寄付を行ってきました。

ボゴムさんを応援することによって、ボランティアや寄付へのイメージも変わっていったといいます。

裕子さん

「寄付やボランティアは縁遠いものだと思っていました。これまでやったことはなかったですし、印象といっても「赤い羽根募金」や「テレビでの呼びかけ」くらいです。
でも、ボゴムさんの思いに共感したのでやりたいと思う気持ちも芽生えましたし、自分でできる範囲のお金を少し出して、仲間たちと集まればいろんなことができるんだと実感しました」

自分ができる寄付とは…?

しかし「推しが入隊中にもっと自分ができることはないか」と考えた裕子さん。

裕子さん

「ボゴムさんは、透明というか、まっすぐで陰がない方なので、自分も清らかな人間にならなきゃと思って、やっぱり人間まっすぐ生きなきゃじゃないんですけど、彼の行動を見るたびに、何か一日一つでも徳を積まなきゃと思うようになりました。
そこで、ボゴムさんが一番喜ぶことは何だろうと考えた時に、ボゴムさんの夢は世界平和なので…ファン一人一人が一個ずついいことをすれば、それがすごく大きな数になると思うので、世界平和の夢を叶えるお手伝いになるかなと思っています」

そして、裕子さんなりに考えて訪れたのは…美容室。
がんや病気で髪を失った子どもたちに髪を寄付する「ヘアドネーション」をすることにしたのです。寄付に必要な髪の長さは31センチ以上、この日のために伸ばしてきました。

ヘアドネーションをする様子

10年間守り続けてきたロングヘアーを生かして、ボゴムさんのように、誰かの役に立ちたい…
それが裕子さんがたどり着いた「世界平和」につながる第一歩でした。

裕子さん

「こんな幸せな気持ちになったのは、髪を切って幸せな気持ちになったのは初めてです。
ボゴムさんの思いにまた近づけたかなと思っています。
ヘアドネーションというのが一つ完遂したので、次またなにか違うボランティアができればいいなと、これを機に毎年一つずつでも何かできればいいなと」

左:ヘアドネーション前 右:ヘアドネーション後

除隊記念にも寄付を!

2022年4月、待ちに待ったボゴムさんの除隊が決まりました。

この2年間どう過ごしたのか、率直に聞いてみると…

「2年間楽しく待てたのが一番でした。作品とかは多くなかったんですが、過去の作品を見直したり、聖地に行ったりと充実した時間を過ごせました。「ボゴムさんが喜ぶこと」をやろうと思っていたら、あれもこれもと浮かんだのですが、案外時間がなかったです。自分とボゴムさんの関係性を見つめ直す時間にもなったと思います」

そして、除隊記念に裕子さんが推し仲間とともに行ったのが…
韓国で起きた山火事の被災地復旧支援金の寄付、北海道、静岡、奈良、佐賀への桜の植樹と都内の公園へのベンチの寄付。
推し仲間全員で意見を出し合って、寄付先を決めたといいます。

寄付したベンチ
メッセージを添えたプレート
裕子さん

「誰かのためになるということと、プレートも入れているので、訪れた人がボゴムさんの名前に偶然触れてもらって、彼のことが広がってくれればいいなということも思っています。そして、これからも身の丈のあったボランティアや寄付に関わっていきたいなと思っています」

推しを待つ時間から見えること…

推しが活動を休止してしまうと、推しからの供給も少なくなってしまいモチベーションが保たれないという話はよく聞きます。(筆者の私自身もそのひとり)

なぜ待つことができたんですか…?と改めて裕子さんに聞いてみると、「すてきな仲間に出会えたことも大きかった」と答えてくれました。
これまで、パク・ボゴムさんをきっかけに、400人以上の推し仲間と巡り会いました。
そのメンバーと「次はこれしよう、あれしよう!」と企画を考えるのも楽しかったといいます。

寂しい気持ちがなかったといったらうそになるそうですが…2年間の兵役期間中を「寂しい」だけで終わらせるのではなく、「楽しく待つ」という気持ちを持つと案外あっという間に時間は過ぎるものですよ、と教えてくれました。

寄付したベンチの前で推し仲間と一緒に(前列左:裕子さん)

担当 イノウエの
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