福井 写真を使った絵札が魅力 地域の文化や歴史学ぶかるた 酒生地区
- 2024年04月06日
あなたは、自分が生まれ育った地域のことをどれだけ知っていますか?福井駅から7kmほど東に位置する田園地帯、福井市酒生(さこう)地区では、地域の歴史や名所を楽しく知ってもらいたいと「かるた」を制作し、幅広い世代に浸透しています。 札に込められた思いと苦労を、羽生ちひろキャスターが取材しました。
かるた対決!羽生vsさこんちゃん
酒生地区の公民館を訪ねると、待っていたのは地区のキャラクター「さこんちゃん」です。
“かるたであそぼ”って書いてありますよ!一緒に遊んでくれるの?
出会っていきなり、カルタで対戦が始まりました。
『古墳の数 400 以上もあるのは 北陸一』
素早くカルタを取ったのは・・・?
さこんちゃんです!
え~!さこんちゃん早い!
地域の魅力伝える「かるた」
「酒生ふるさとかるた」では、地区の名所や旧跡、催し物など、酒生を知るうえで欠かせないものをまとめています。
その内容は、地域のなじみ深い話題や歴史、偉人を紹介する札までさまざまです。
制作者の知られざる苦労
このかるたを中心となって制作したのは、山形裕之さんです。
かるたを制作した 山形裕之さん
酒生地区って歴史的な遺産がたくさん残っているんですね。それをぜひ地区の人たちに知ってもらいたいなと。遊びみたいなのを通して、いろんなことを知ることが一番いいかなと思ったんです。
地区内に 11 ある全ての集落の話題を取り込むことを大切にした山形さん。しかし、五十音にまとめるのは想像以上の苦労があったといいます。
山形裕之さん
難しかったのは、『あ』から『ん』まで、特に『らりるれろ』、これがなかなか浮かばなくて。風呂に入っても、ご飯を食べながらでも、なんかないかなぁって。いろんなもの見ていて「お!ヒントになるものないかな?」とか、四六時中考えていました。
また絵札にもこだわりました。実際の風景を絵札にすることで、その場所に興味を持ってもらいたいと思ったからです。山形さんは、1年かけて自ら撮影して回りました。
山形裕之さん
ベストなショットを撮りたいなと思って、朝起きて「朝日が当たる所がいいんかなぁ」とか「夕方やと西日が入るところがいいんかなぁ」とか。天気や光の具合とかもいろいろと苦労しました。
かるたの完成から 10 年。今では地区の行事や学校、老人会などで活用され、子どもから高齢者まで広く浸透しています。
郷土愛を育む「かるた」
この日も、地区の方が集まってカルタが行われていました。
酒生のことを知ってほしいじゃないですか。全部読み終わるまでは手を出さないってルールを作って、(いすに座わると手が)届かないので、手の代わりに新聞を丸めた棒でおさえるっていう。
さらに、思い出話に花が咲くことも。
『渡し船 今は天神橋で 東郷へ』。渡し船に乗ったことある?
私、小学校のときに乗りました。横へ渡るから揺れて、怖かったですね。泣きました。
地域の話題満載のかるたを通して、皆さん、ふるさとへの愛着を深めていました。
かるたを作った山形さんは、次は地区の名所などを盛り込んだ「すごろく」を作りたいと考えているそうで、地域の仲を深める名物が、また新たに誕生するかも?しれません。