放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2013年4月

4.1 テレビ朝日が開局以来初の2冠ゴールデンとプライムの視聴率で

2012年度の平均視聴率でテレビ朝日はゴールデン(19~22時)とプライム(19~23時)のそれぞれの時間帯でNHK,民放キー局の中で首位になったことを公表した。ゴールデンは12.4%,プライムは12.7%(ビデオリサーチ調べ,関東地区)で,ともに同局が首位になるのは1959年の開局以来初めて。

4.1 BPO放送倫理検証委の委員,半分が交代

BPOの放送倫理検証委員会の5人の委員が任期終了に伴い交代した。委員の半分が入れ替わったのは2007年5月の同委員会設立以来初めて。5委員の退任にあたってのメッセージはBPOのホームページに掲載されている。新委員には▽科学ジャーナリストの小出五郎,▽ジャーナリストの斎藤貴男,▽立教大学大学院教授の渋谷秀樹,▽弁護士の升味佐江子,▽作家の森まゆみの各氏が選任された。

4.8 「テレビの歴史を変えた50番組」に日本の4番組を選出

仏・カンヌで開幕した世界最大級の国際番組見本市MIPTVでは,50周年を記念してテレビの歴史を変えた番組を毎年1作ずつ選出。日本から「鉄腕アトム」等アニメ3番組とともに1986年の代表作として「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」が選出された。同番組の「おもしろビデオコーナー」が,視聴者投稿ビデオ番組を定着させたことが選出理由。

4.9 「恋するハエ女」の大島里美さん,市川森一脚本賞を受賞

第1回の市川森一脚本賞に,NHKで放送された「恋するハエ女」の脚本を手がけた大島里美さんが選ばれた。平凡な日常を送る女性が,自分の殻を破ろうと奮闘する,コミカルで泣ける脚本が評価された。同賞は2011年に亡くなった脚本家の市川森一氏の業績を讃えるとともに,放送文化の向上とドラマ文化を活性化させようと創設された。

4.11 TBSが「THE世界遺産」を4K制作レギュラー放送では日本初

TBSテレビとBS-TBSがドキュメンタリー番組「THE 世界遺産」の特別編「THE 世界遺産4K Premium Edition(仮)」を4Kカメラで撮影すると発表した。4K撮影によって映像コンテンツの表現力,品質を高め,映像資料としての価値の向上をめざす。「4Kですべてを撮影したテレビ番組のレギュラー放送は日本初」としている。番組は6月から毎月1回,通常のハイビジョン映像にダウンコンバートされ,BS-TBSで来年3月まで放送される。

4.19 ネット選挙解禁 改正公選法が成立

インターネットを利用した選挙運動を夏の参議院選挙から解禁する改正公職選挙法が,参議院本会議で全会一致で可決・成立した。改正法は自民党,日本維新の会,公明党が提出したもので,ホームページのほかツイッターやフェイスブックなどのSNS,動画サイトによる選挙運動を全面的に解禁するとしている。また,電子メールの利用については,誹謗中傷やなりすましに悪用されやすいとして政党や候補者だけに認め,民主党などが求めていた一般の有権者の利用については,「次々回の国政選挙における解禁について適切な措置を講じる」とした付則が盛り込まれ,今後の検討課題としている。

4.23 “復興FM”プロジェクトスタート

大震災後,被災地では30あまりの臨時災害放送局が立ち上がり,震災2年後も,その半数以上が放送を続けている。防災行政無線や他のメディアが復旧し,臨時の放送局としての役割は終えたとの見方もなされるが,復興に向かうこれからこそ地域を支える役割は大きいと,継続する現在の放送を“復興FM”と名づけ,局同士がネットワークを組むプロジェクトをスタートさせた。この日の第1回会合には17局が参加した。今後は,財政基盤が乏しい局の運営をサポートするスポンサー開拓や,“復興FM”という制度を創設するよう国に働きかけていくことなどが考えられている。