放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2007年10月

10.1「緊急地震速報」スタート

地震の発生を大きな揺れのくる前に知らせる「緊急地震速報」がスタートした。最大震度5弱以上が推定される地震で,震度4以上の地域が気象庁から速報される。NHKはラジオとテレビで1日から,民放テレビ局も一部の局を除いて1日から,それぞれ実施した。東京のラジオ局は2008年4月から緊急速報に対応する。

10.2京都放送,会社更生手続終結を発表

民放U局・KBS京都放送が,会社更生手続の終結の決定を京都地裁から受けたと発表した。KBSは乱脈経理などが原因で1994年に会社更生法の適用を要請,債権の弁済を続けていたが,終結の要件である負債総額52億円の3分の2以上を弁済した。

10.2民放10局,カメラマン殺害で抗議

ミャンマーでデモを取材中のフリーのカメラマン・長井健司さんが銃撃され殺害された事件で,東京と大阪の民放局10局の報道局長が連名でミャンマー政府に対し,「言論・報道の自由に対する看過できない侵犯行為である」と抗議し,長井さんが持っていたビデオカメラやテープを即刻返還するよう求めた。

10.3「放送倫理・番組向上機構」(BPO)不祥事で青少年委員を解嘱

BPOは,大麻取締法違反で起訴された「放送と青少年に関する委員会」の斎藤次郎副委員長を解嘱したと発表した。

10.12地デジ再送信問題,民放局が異議

福岡県内の民放4社が,各社の地上デジタル放送を大分県内のCATV4社が再送信することを認めた総務相の裁定を不満として,異議を申し立てた。電波監理審議会が,事情聴取を行い,裁定の是非を審理する。一方,総務省の「有線放送による放送の再送信に関する研究会」は10月5日に第1回の研究会を開催し,大臣裁定制度を含めた再送信のあり方について検討を開始した。

10.15「地方の時代」映像祭,関西で開催へ

「地方の時代」映像祭2007は12月1日から8日まで関西大学千里山キャンパスで開催されると実行委員会が発表した。同映像祭は1980年に川崎市で始まり,2003年からは埼玉県川越市で開催されていたが,財政難から継続が困難視されていた。

10.23NHK次期経営計画,経営委が骨子作成

NHK経営委員会が,次期経営計画の重要検討事項の骨子を作成するため,4人の経営委員からなる「ステアリングチーム」の初会合を開いた。同チームは2008年2月末を目途に計画の骨子を作成する。

10.23ATPグランプリ『特捜!ザ・リアル海猿』

「全日本テレビ番組製作社連盟」(ATP)の「ATP賞グランプリ2007」が開催され,グランプリ番組に,海上保安大学校での海上保安官16人の訓練に密着取材したドキュメンタリー『特捜!ザ・リアル海猿』(ドキュメンタリージャパン制作)が選ばれた。ATP賞グランプリは,プロダクション制作の優れた番組を表彰する。

10.23罰ゲーム等の番組で配慮を要請

BPOの「放送と青少年に関する委員会」が,「罰ゲーム」に代表される「出演者の心身に加えられる暴力」と「性的表現」について改善するようテレビ局に要請した。また26日には少女を性的対象視する番組に関しても改善を要請した。

10.29日本賞にカナダの番組

NHKが主催する教育番組の国際コンクール「日本賞」のグランプリにカナダ放送協会制作の『特別授業 差別を知る~カナダ ある小学校の試み~』が選ばれた。

10.31放送文化大賞,毎日放送『私は生きる』

民放局の優れた番組を表彰する日本放送文化大賞のテレビ番組グランプリに,JR福知山線の脱線事故の被害者を描いた毎日放送の「映像'07『私は生きる』」が選ばれた。