放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

ベライゾンのFiosTV,加入件数が50万突破

米通信大手のベライゾン社は7月30日, 同社が2005年から展開しているテレビサービス「FiosTV」の加入件数が50万を超えたと発表した。「FiosTV」は光ファイバーを利用したテレビサービスとして2005年9月にスタートしたもので,現在HD を含むおよそ200チャンネルの配信を,全米12州500地域で行っている。07年4~6月期には加入件数が1万6,700件増加し51万5,000件,受信可能世帯は370万世帯となった。光ファイバー網を利用して行うテレビサービスは通信最大手のAT&T も行っており,加入者獲得競争は今後さらに激しくなると見られる

NYタイムズ,経費削減で紙面幅縮小

米ニューヨーク・タイムズ紙が,経費の削減を理由に8月6日付の紙面から,横幅をこれまでより1.5インチ(約4センチ)縮小した。投書欄がこれまでの3 分の1になるなど,記事の掲載スペースは約1割減少するが,Web版を充実させることなどで補っていく方針。これによる印刷コストなどの節減額は年間 1,000万ドル(11億円余り)。ネット上でニュースを読む読者が増え,テレビや新聞への接触率が落ちる中で「掲載に値するすべてのニュースを」をモットーにしてきた名門紙も,紙面のスリム化を余儀なくされた形となった。

米NBC,北京五輪を3,600時間以上放送へ

NBC は8月7日,2008年北京オリンピックをテレビとインターネット配信を含め,総計3,600時間以上放送すると発表した。ほとんどがネット上で提供される予定で,アメリカで初めて,オリンピック中継が生ストリーミング配信されることになる。NBCのオリンピックサイト「NBCOlympic.com」では,約2,200時間分の生ストリーミング配信が行われる予定。前回2004年アテネオリンピックのNBC の放送時間は1,210時間だった。今回の3,600時間は,アメリカでのこれまでの夏季オリンピック放送時間の総計よりも多い。

米ブロックバスター,映画ネット配信会社を買収

アメリカのビデオレンタル大手のブロックバスター社は8月8日,映画をオンライン配信するムービーリンク社の買収を発表した。ムービーリンク社はパラマウント,ユニバーサル,ワーナーブロス等ハリウッドの映画大手5社が2002年に共同設立した会社で,同社を買収したことでブロックバスター社は出遅れていたインターネット映画配信サービスを強化する。ブロックバスター社は世界で約8,000店舗のレンタルビデオ店を運営し,利用者からオンラインでの注文を受けてDVD を配送するというサービスを展開している。

SNSの広告市場が急成長

アメリカの調査会社eMarketer社は8月9日,インターネット上のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)での広告費が急速に増加しているとのリポートを発表した。これによると2006年に3億5,000万ドルだったSNS広告費は,2007年には9億ドルに増加すると見込まれ,3年後の 2010年には20億ドルを超えると予想されている。アメリカではMyspaceとFacebookの二大サービスがSNSの72%のシェアを持ち,利用者も世界中で急増を続けている。テレビや新聞等の広告費が伸び悩む中,急成長を続けるネット広告の中でもSNS広告は今後ますます注目されそうだ。

ネット,娯楽媒体としてテレビと拮抗

米IBM 社は8月22日,娯楽のためにインターネットを見る人がテレビとほぼ並んだとする調査結果を発表した。調査対象は,米・英・独・豪・日の約2,500人。それによると視聴(利用)4 時間以下の場合,テレビに娯楽を求めると答えたのは66%だったのに対し,インターネットと答えたのは60%だった。しかし視聴(利用)が6時間を超えると両者は逆転し,インターネット利用が19%,テレビが9% だった。IBM社のS.バーマン氏は「特に18~34歳の年齢層でのネット利用が顕著で,テレビはPC や携帯の後塵を拝している」と話している。