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熱中症に対応する呼びかけ

温暖化の影響などもあり、近年の夏の暑さは“災害級”などとも表現されます。厳しい暑さの中、毎年、多くの方が熱中症で搬送され、命を落とす方も大勢います。この恐ろしい熱中症から命を守るため、NHKのアナウンサーが専門家の協力も得て作成した「熱中症に対応する呼びかけ」を公開します。正しい知識に基づいて正しく行動すれば、熱中症は防げます。身近な方の大切な命を守るため、是非ご活用ください。

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厳しい暑さの日は

  • 水分や塩分をこまめにとったり、冷房を適切に使ったりして、熱中症に注意してください。暑い日は決して無理をせず、休憩をとるようにしてください。

  • エアコンがあっても、適切に使わずに命を落とす人がいます。エアコンの使用をためらわないでください。

  • エアコンがない場合は、風通しをよくする、日差しを避ける、水分や塩分の補給を心がけるなどして、体調管理に十分注意してください。

  • 暑い日はゆったりした服装にする、襟元を緩めて風通しをよくする、帽子や日傘を使うなど、身につけるものを工夫してください。

  • 熱中症予防は日ごろの体調管理が大切です。免疫力が下がると熱中症になりやすくなります。栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠で、体調を整えておきましょう。

屋外の呼びかけ

  • 屋外で長時間作業する際は、1人での作業を避けたり、周囲の人に作業することを伝えたりしてください。熱中症の発見が遅れると、重症化のリスクが高まります。風通しのよい服装、作業時間の短縮、こまめな休憩、水分や塩分の補給など、暑さ対策をしてください。

  • 若くて健康な人でも、暑い日に急な運動や作業をすると、熱中症が重症化するケースがあります。また、お子さんは体調の悪化を言い出しづらいことがあるので、お子さんが話しやすい環境を整えたり、お子さんに合わせた水分補給を心がけたりしてください。

  • 学校での行事や部活動は、気温や湿度が高い日は、延期や中止など柔軟に対応してください。激しい運動をして30分ほどで熱中症になった例もあります。30分に1回以上は休憩をとり、体調が悪化した場合は、早めに中止してください。無理な運動はやめてください。

室内の呼びかけ

  • 室温がそれほど高くなくても、湿度が高いと熱中症になることがあります。除湿器を使ったり、水分や塩分をこまめにとったりして、予防を心がけましょう。

  • 外から戻って室内が高温になっている場合は、すぐに窓を開けて換気をし、換気扇や冷房を使ってできるだけ早く室温を下げてください。

  • 料理などで火を使うと室温が上がります。特にお湯を沸かすと蒸気が当たり、熱中症になることがあります。換気扇や扇風機を使うなどして、熱中症を防いでください。

支援が必要な人向けの呼びかけ

  • 周囲にお年寄りはいませんか。食欲はあるか、発熱はないか、口の中が乾燥していないかなど気を配ってください。体重や血圧の変化、心拍数などのチェックも大切です。室温や湿度、風通し、換気や日当たりなど、周りの人が見るようにしてください。

  • 小さなお子さんには、常に気を配ってください。ひどく汗をかいていたり、顔が赤くなっていたりしたら、涼しい場所で十分に休ませてください。水分をとらせる、涼しい服を着せる、暑い場合は服を脱がせるなどしてください。

  • 小さなお子さんが車の中に放置され、熱中症で亡くなるケースが後を絶ちません。車内は短時間で高温になります。お子さんが誤って内カギをかけたり、ロックボタンを押したりして閉じ込められ、熱中症になることもあります。冷房をつけていても、暑い場所ではオーバーヒートしてエンジンが止まることがあります。絶対にお子さんを車内に放置しないでください。

  • 障害のある人は、暑さによる体温の上昇に気づきにくかったり、周りに伝えにくかったりします。支援する人は注意深く見て、体温の測定や水分・塩分の補給を促してください。

  • 車いすの人は、路面からの照り返しに加え、常に体が車いすに密着しているため熱がこもりやすく、熱中症のおそれが高まります。外出などの際は背中に保冷剤を入れるなど、温度を下げる工夫が必要です。また、こまめに日陰に入るなど、日が照りつける路面を長時間移動しないよう注意してください。

「熱中症警戒アラート」が出た場合

  • 熱中症警戒アラートが発表されています。熱中症の危険性が極めて高くなることが予想されます。屋外での運動や長時間の外出は危険です。外出はなるべく控え、涼しい場所で過ごすなど、暑さから命を守る行動をとってください。やむを得ず屋外で活動する場合は、水分や塩分の補給を十分に行うなど、体調管理に注意してください。お年寄りやお子さんには情報が届きにくいことがあります。声をかけ合い、熱中症対策をしてください。

[参考にしてください]

「熱中症警戒アラート」とは、気温や湿度などに基づく「暑さ指数」によっ て、熱中症の危険性が極めて高いと予想される日に出されます。各地の「暑さ指数」は、「NHKニュース・防災アプリ」や特設サイト
暑さ指数予報|防ごう熱中症|NHK NEWS WEB、環境省の熱中症予防サイトなどで確認できます。

症状が出た際の対処の呼びかけ

  • 熱中症とみられる症状が出ている人は、すぐに風通しのよい日陰や冷房の効いた室内に避難させましょう。服を緩めたり脱がせたりして、体の熱を逃がしましょう。冷えた水の入ったペットボトル、氷の入った袋などを、首や太もものつけ根、わきの下に当ててください。また、濡らしたタオルやハンカチを肌に当て、扇風機やうちわで風を当てたり、服の上から少しずつ水をかけたりするのも有効です。救急車の到着を待たず、体を冷やしてください。

  • 意識がはっきりしている場合は、冷えた水を口から飲ませてください。できれば、経口補水液やスポーツドリンクを飲ませてください。水1リットルに1グラムから2グラムの食塩も有効です。意識がはっきりしない場合は、誤飲を防ぐため、水を口から飲ませるのではなく、医療機関に搬送し点滴をすることが最優先です。ただしその場合も、救急車の到着を待たず、体を冷やしてください。

[参考にしてください]

「熱中症の重症度の分類」

Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる軽症
熱中症の初期症状では、めまいや立ちくらみ、筋肉がつる、手足がしびれることがあります。
Ⅱ度:病院への搬送を必要とする中等症
熱中症の症状が進むと、頭痛やおう吐、体がぐったりしたり力が入らなかったりすることがあります。
Ⅲ度:入院して集中治療の必要のある重症
意識障害や全身のけいれん、また体に触ると熱い場合は、熱中症が重症化しているおそれがあります。
熱中症に対応する呼びかけを、自由に活用してください

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