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青森県の大学生が徹底議論!参院選の候補者への質問

執筆者森谷日南子(記者)
2022年07月01日 (金)

青森県の大学生が徹底議論!参院選の候補者への質問

若者と候補者への質問を考える

NHK青森は若者の投票率向上に向けて取り組んでいます。
私たちは7月10日投票の参議院選挙の候補者に、若者が関心を持っていることを質問して、アンケートの回答を見た人に選挙への関心を高めてもらおうと考え、県内の大学生たちと一緒に候補者へのアンケートの質問を考えることにしました。

参院選も国政も“遠い”?

前回3年前の参議院選挙での青森県の20代の投票率は約25%で、全世代の投票率=約45%を大きく下回っています。

こうした現状をなんとかしようと私たちは県内の大学生に声をかけて“リモート”で座談会を開催しました。

座談会を開催

参加してくれたのは、青森大学と弘前大学、それに柴田学園大学の政治に関心がある大学生7人です。

大学を卒業してからまだ3年しか経っていない私は、学生と同じ目線でのぞもうと先輩記者2人と参加しました。

まず、私たちは学生が参議院選挙にどんなイメージを持っているのか聞いてみました。

参議院選挙で議論になるのはちょっと自分とは縁がないような話もかなり多いなと思っていて。

代表者を通して国に伝えてもらうみたいな感じなので自分の意見が反映されにくく、ちょっと遠いというイメージがある。

学生のみなさんが参議院選挙を遠いと感じている実態が浮き彫りになってきました。さらに詳しく聞いてみると…。

どうしても若者が少ないので選挙などでは意見として通るのかどうか疑問。

選挙に行かない若者よりも、選挙に行く高齢者のほうを重視して確実な票を得ようとしているのかなというのはある。

どうやら国の政治も「遠い」というイメージを持っているようです。そこで私たちは、県内の若者たちの気持ちを少しでも選挙に引きつけようと、参議院選挙の青森選挙区に立候補した4人への質問を学生たちと一緒に考えていきました。

自分は奨学金を借りているんですけど、借りた奨学金と稼いだバイト代でやりくりして頑張って生活しているので奨学金制度をどう拡充したいと考えているのか聞きたい。

結婚・出産を当たり前に私たちができるようにするためには、まず労働問題を解決してほしい。
わたしのいまの経済状況では、30代半ばになるまで結婚や出産は無理だろうなと思っているので。

若者が都会に出ていくのは地元の魅力や働き口が充実していないからだと思うので、そこにどれぐらい力を入れてくれているか。
若者が出ていくのを止めるだけではなくて移住してくれる人のための政策にもうちょっと力を入れて欲しい。

森谷記者

みなさんの話を聞きながら、私は学生時代のことを思い出しました。

地元・和歌山県で国会議員の街頭演説を聞いたとき、「学費の支援」など自分が期待していた政策には触れられず、政治は遠い存在なのかもしれないと漠然と感じていました。

そして、この座談会を通して感じたのは、若者が重視している政策と政治家が考える政策に開きがあるということです。

今回の参議院選挙ではロシアによるウクライナ侵攻や、防衛力のあり方をはじめとする外交・安全保障政策などを争点に論戦が繰り広げられています。

重要な課題であることは間違いありませんが、こうした課題に加えて、候補者や政治家が若者向けの政策にも力を入れて主張することが、若者の投票率向上につながるのではないかと感じました。

候補者にどんな質問を?

座談会は1時間半ほど。
学生のみなさんからはさまざまな意見が聞かれ▽奨学金制度の拡充や▽人口減少対策▽ジェンダー平等などについて質問してはどうかと提案してくれました。

候補者に聞きたいこと

こうして出た意見をもとに、私たちは2つの質問をとりまとめました。

1つ目は「学生を支援する政策や、地方で働く若者を増やすための政策について、取り組みたいことがあれば教えてください」。

質問1

2つ目は「人口減少対策に、どのように取り組みますか」です。

質問2

この2つの質問を含めたアンケートに対する候補者の回答はこちらをクリックしてご覧ください。

[NHK参議院選挙]青森 候補者アンケート - 参院選2022 NHK

この回答を見て、質問を考えてくれた学生はどう考えたのか聞いてみました。

座談会で若者の政治参加について意見を出してくれた弘前大学の有本粋基さんは「候補者それぞれの意見が異なっていることがよくわかり、投票の際だけでなく政治を見ていく上でも非常に参考になると感じた。候補者が掲げる政策の財源などをどうしていくのか今後も注目していきたい」と話していました。

弘前大学の有本粋基さん

弘前大学の有本粋基さん

座談会を終えて

座談会では「若者の政治離れについて候補者がどう思っているのか聞きたい」とか、「若者がどう政治に関わっていけばいいか教えてほしい」といった声も上がっていて、決して政治に無関心な若者ばかりではないのだと、あらためて感じました。

座談会に参加してくれた学生のみなさんだけでなく青森県に住む若者のみなさんが、このアンケートをきっかけに少しでも選挙や政治を身近に感じ、投票などの行動にうつしてくれればうれしいと思っています。

そして、私たち大人も自分自身の生活はもちろん、若者たちがこの先生きていく未来を少しでも明るいものにするために1票を投じる必要があるのではないかと感じ、私は参議院選挙が公示された後、期日前投票所に向かいました。

森谷記者

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