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耳が聞こえなくても電話できる「電話リレーサービス」とは?

執筆者平井良江(ディレクター)
2021年11月25日 (木)

耳が聞こえなくても電話できる「電話リレーサービス」とは?

2021年7月に国が始めた「電話リレーサービス」。
耳の聞こえない人と聞こえる人を電話でつなぐサービスです。

通訳オペレーターが、耳の聞こえない人と聞こえる人との間に入り、お互いの文字・手話と音声を通訳することで、会話ができます。

電話リレーサービスについての説明画面

24時間365日使用でき、緊急通報やお店の予約など、どのような場面でも電話できるようになりました。

リポートでは、実際に利用をはじめた当事者の声を取材しました。

耳が聞こえる人にとっては、ふだん当たり前に使っている電話ですが、この電話リレーサービスは始まってまだ4ヶ月。

聞こえる人も聞こえない人も、どうやって使うのかよく分からない状態・・・。

そこで、ここではリポートでお伝えしきれなかった電話リレーサービスの情報を、Q&A形式でお伝えします!平井ディレクター)

Q.電話リレーサービスは、どうやったら使える?

聞こえない人の場合
事前に登録が必要です。電話リレーサービスのアプリから登録を行うか、日本財団電話リレーサービスのホームページから必要な書類をダウンロードして、郵送で登録を行う方法があります。詳しくは日本財団電話リレーサービスのホームページ(https://nftrs.or.jp/ ※NHKのサイトを離れます。)をご覧下さい。

聞こえる人の場合
国のサービスになったことで、聞こえる人から、利用登録をしている人への発信ができるようになりました。事前の登録は不要です。
相手の電話リレーサービス用の電話番号に発信すると、通訳オペレーターにつながります。「〇〇さん(電話したい相手のお名前)につないでください」と言うと、電話したい相手への発信が始まります。

Q.電話リレーサービス、利用料金はどのくらい?

聞こえない人の場合
「月額料金ありプラン」と「月額料金なしプラン」があります。詳しくは日本財団電話リレーサービスのホームページをご覧下さい。
緊急通報やフリーダイヤルへの発信、また電話を受ける場合は無料です。

聞こえる人の場合
特別な利用料金は発生しませんが、通常の通話料がかかります。発信後、通訳オペレーターにつながったときから通話料がかかります。

Q.手話ができなくても電話できる?

手話以外にも、チャットで電話ができます。文字通訳を選ぶとチャット画面が開き、利用者が打った文字を通訳オペレーターが読み上げ、電話相手に伝えます。電話相手の言葉も、通訳オペレーターが文字にして利用者に伝えます。

文字通訳は、自分の言葉で確実に伝えることができるため安心できるという声が多かったです。特に手話が苦手な人や、専門用語や固有名詞などを使う電話の場合は便利かもしれません。


ただ、私がはじめて文字通訳の電話を受けたとき、通常の電話と違ってすぐに返事が返ってこないので戸惑ってしまいました。聞こえる人は自分もチャットの音声入力をしていると思って話すと、タイムラグを気にせず会話できるのでおすすめです。


ちなみに、手話通訳の電話を受けたときは、個人差はあると思いますがほとんどタイムラグなく会話できて驚きました。

Q.手話の方言は伝わる?

通訳オペレーターは標準語で対応しています。方言だと伝わりにくい場合があるので、標準語を使う方がいいかもしれません。

Q.もし詐欺電話がかかってきたとき、通訳オペレーターは助けてくれる?

原則として、通訳オペレーターは双方の言葉をそのまま通訳し、電話内容に介入することはありません。詐欺電話がかかってきた場合でも、利用者自身が詐欺かどうか判断し、自分の身を守ることが必要です。

取材をしてみて、今まで電話できないことで苦労していた人がたくさんいたのだと気づかされました。このサービスが広まることで、コミュニケーションのバリアフリーもすすんでほしいですね。

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