ブリ水揚げが好調
橋本真爾(記者)
2022年12月21日 (水)
富山湾の冬の味覚、「ブリ」の水揚げが今シーズンは好調です。
ブリを目当てに県内外から観光客が訪れる飲食店街のにぎわいと今後の見通しを取材しました。
出荷ピークの「ブリ」
「見てください。この丸々と肥えたブリ。富山の冬の味覚がいま、旬を迎えています」
年末年始の贈答用や正月の定番料理として人気を集める「ブリ」は、出荷のピークを迎えています。
12月16日。富山市の岩瀬漁港には1隻の定置網漁の船がブリを積んで港に戻ってきました。
船からは次々とブリが水揚げされ、漁師が重さを確認して手際よく選別していました。8キロから9キロを中心に426本が揚がりました。
県水産研究所によりますと今シーズンの先月(11月)までの2か月間の漁獲量は速報値で59トンと記録的な不良だった昨シーズンと比べておよそ4倍になっています。過去10年の平均と比べてもおよそ2倍です。
「10キロから11キロもぼちぼち入っていた。去年がちょっと不良だったので、ことしはこのまま大漁で1年を終わらせたい」
県外からも「ブリ」を求めて
ブリの水揚げが県内で最も多い氷見市。
11月26日に氷見漁港の「ひみ寒ぶり宣言」が出され、観光施設には多くの観光客が訪れていました。
「こんな大きいと思わなかった。いつも切り身しか知らないでしょ」
「ことしは大きいものが多いみたい。品物が良いし大きくて去年の値段で買える」
氷見市内にあるおよそ30の飲食店や民宿ではブリを前面に出したメニューを展開し、観光客にPRしています。こちらの飲食店では、ブリを使った刺身やしゃぶしゃぶ、ぶり大根などを提供しています。
観光施設の運営会社によりますと、東海地方から訪れる団体客を中心に週末の予約はほぼ埋まっているということです。
「刺身が好きなので脂がのっていておいしいです」
「私はブリしゃぶが一番。生臭くもなく、さっぱりとしていておいしかったです」
「お気に入りはブリしゃぶですね。ぶりが大きくてすごくおいしくて、こんなブリは初めてです」
今後のブリの漁獲量
日本海のブリは春先に東シナ海で産卵して、初夏に北上します。そして、エサが豊富な北海道で秋にかけて大きく育つと、11月から2月に再び南下します。
県水産研究所の研究員は日本海の海水温などから、今シーズンの重さ7キロ以上のブリの漁獲量は143トンと、過去10年の平均の130トンに比べて1割ほど増えるとみています。
「ブリというのは暖かい水を好む魚なので冷たい水を避ける傾向にあります。ことしの日本海の冬の水温分布は、能登半島沖の水温と山形沖の水温というのが平年並みとなっているので、富山湾で漁獲量は平年並みとなっています」