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共同親権とは 離婚後の子どもの親権どうなる 賛成と反対 意見の内容は?

  • 2024年4月18日

民法などの改正案は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持ついまの「単独親権」に加え、父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入するとしています。改正案は衆議院を通過し、今後は参議院に舞台を移し、運用上の課題などをめぐって議論が行われます。共同親権についてのほか、導入に向けての賛成や反対の意見の内容などをまとめました。

「単独親権」「共同親権」改正案の内容は

現在は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持ついまの「単独親権」が採用されていますが、民法などの改正案では父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入するとしています。

そして父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、合意できない場合は家庭裁判所が判断します。裁判所がDV=ドメスティック・バイオレンスや子どもへの虐待があると認めた場合は単独親権となります。

改正案 衆議院本会議で可決

改正案は、共同親権を選択する際に父母双方の真意によるものか確認する措置を検討することなどを付則に盛り込む修正をした上で、4月16日、衆議院本会議で賛成多数で可決されました。
また、付則には、共同親権のもとでも、片方の親だけで判断できる「急迫の事情」などがどのようなものか政府が周知することも盛り込まれました。

共同親権の導入をめぐってはさまざな声があがっています。

共同親権に賛成

導入に賛成の立場を取る「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」代表の武田典久さんは、次のように話しています。

武田典久さん
「離婚したあとも子どもと関わりたいと思っている人たちが養育に責任を持つことができる制度で、与野党の賛成多数により衆議院で可決されたことは喜ばしい。共同親権の導入や面会交流などが適切に実施されることで子どもの連れ去りの一定の抑止につながり、離婚したあとも子どもと関わることができる社会になると期待している」

共同親権に反対

導入に反対の立場を取る「『離婚後共同親権』から子どもを守る実行委員会」の代表世話人で和光大学の熊上崇教授は、次のように話しています。

熊上崇教授
「精神的・経済的なDVや物的証拠がない場合は、裁判所が適切に判断せず、共同親権になるおそれがある。離婚後も、差し迫った場合を除いて子どもの進学や医療、転居などには双方の親権者の合意が必要になる。このため合意を盾に、子どもと同居する親が別居しているもう一方の親に支配されるおそれがある」

共同親権 就学支援金の受給資格は

共同親権が導入された場合、保護者などの収入に応じて高校の授業料負担を軽減する就学支援金の受給資格がどうなるのかについて、盛山文部科学大臣は「当然親権者2人分の収入に基づいて判定することになる」としながらも、「もう1人の親権者と連絡が取れない場合などは、個別のケースごとに対応していく」と述べました。

2026年までに施行の見通し

改正案は今の国会で成立し、2年後の2026年までに施行される見通しですが、DVや虐待が続くことへの懸念が根強いことから、参議院でも、運用上の課題などをめぐって議論が行われます。

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