通称「ほこみち」=「歩行者利便増進道路」が各地に広がっています。指定されると道路占用の規制が緩和され飲食店が路上にテーブルやいすを置いてテラス席を設けて営業することなどができます。このほど23区が管理する道路としては初めて東京・上野にある道路が指定され、にぎわい創出などが期待されています。「ほこみち」の制度や都内の取り組みについてまとめました。
「ほこみち」と呼ばれる「歩行者利便増進道路」は、「道路空間を街の活性化に活用したい」とか「歩道にカフェやベンチを置いてゆっくり滞在できる空間にしたい」などといった、道路への新しいニーズの高まりをうけて設けられた制度です。
指定されると道路占用の規制が緩和され飲食店が路上にテーブルやいすを置いてテラス席を設けて営業することなどができます。去年(2023年)5月末の時点で全国44市区町に広がっているということです。
この「ほこみち」に上野公園の南側にある全長およそ300メートルの「仲町通り」など東京・台東区が管理する2本の道路が新たに指定されました。
「仲町通り」がある商店街では去年6月までの1年間、立ち飲みスペースを設置するなどの社会実証が行われ、区が活性化に一定の効果が認められるとして12月25日に指定したということです。23区が管理する道路が指定されるのはこれが初めてです。
「仲町通り」がある「池之端仲町商店会」 道明葵一郎会長
「飲食店には積極的に道路を活用してもらい家族そろって訪れることができるにぎわいある通りにしたい」
このほか都内では、港区にある都が管理する「新虎通り」や小田急線狛江駅前の狛江市が管理する道路も「ほこみち」に指定されています。
このうち狛江市の「ほこみち」は、市内を通る小田急線の狛江駅周辺の市道で、去年4月に指定されました。市によりますと、これに先がけ行った社会実験では、キッチンカーや雑貨などの移動販売店が営業したり、子どもが遊ぶスペースが設けられたりして にぎわったということです。
「ほこみち」に指定した狙いについて狛江市は、駅前ににぎわいや滞留する空間を作り出し、人の交流をうながす場所にしたいとしています。
市では歩行者専用の道路にするための工事を進め、ことし4月以降に運用を始めるとしていて、具体的な利用方法についても検討していくということです。
狛江市未来戦略室 田代興大さん
「市の玄関口の狛江駅前をバスに乗り換えや帰宅する際の経由地ではなく、下車してひと息つける場所、目的地になるような場所にしていきたい」