2028年夏のロサンゼルスオリンピックで実施される追加競技として、IOC=国際オリンピック委員会は、インドで開かれた総会で、クリケットなど5つの競技を採用することを決めました。
クリケットが採用されたことについて、日本クリケット協会の本部がある栃木県佐野市では関係者などから喜びの声があがっています。どんな競技なのかもまとめています。
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クリケットは、イギリス発祥の球技で世界の競技人口は3億人以上にのぼり、サッカーに次ぐ第2位と言われています。
長さおよそ20メートルの『ピッチ』と呼ばれる長方形のスペースで、投手がワンバウンドで投げたボールを打者が打ち返し、打球が処理される間に打者がピッチの端から端までを走って得点します。
1チーム11人で対戦して規定のアウト数を取られる間に、より多くの得点を取ったほうが勝ちとなりますが、形式によっては試合時間が7時間のものや数日間に及ぶものもあります。
過去のオリンピックでは、1900年のパリ大会で実施されましたがその後は行われず、近年は、競技団体がTwenty20という競技時間が3時間ほどに収まる方式でオリンピック競技への採用を目指していました。
ヨーロッパやインド、オーストラリアなどでも盛んに行われていますが、日本では競技人口が4000人ほどにとどまっていて、日本クリケット協会は、オリンピック競技への採用を普及につなげたいとしています。
栃木県佐野市は、10年以上前からクリケットの普及にまちぐるみで取り組んでいて、2010年から日本クリケット協会の本部が置かれているほか市内には日本で初めての全面天然芝のクリケット専用のグラウンド、「佐野市国際クリケット場」が整備されています。
16日は午後2時から協会の関係者や選手などおよそ20人がグラウンド脇の建物に集まって、インターネットで中継されるIOC総会の様子を見守りました。
そして、午後5時前にクリケットが追加競技に正式に採用されることが決まると「おー」という歓声がわき会場は大きな拍手に包まれました。
採用決定の瞬間を見届けた元プロ野球選手で日本代表の木村昇吾選手
「嬉しいです。日本のクリケットはこれからなので、頑張りたいです」
日本クリケット協会 宮地直樹 事務局長
「クリケット競技にとって大きな追い風になると思う。今後、オリンピックという新たなステージを目指せるよう選手の育成など、様々な取り組みを高めていきたい」
栃木県佐野市では、16日も地元の中学生や高校生で作るクリケットチームの練習が行われ、子どもたちは互いに声をかけあいながら、ボールを打つ練習などに取り組んでいました。
佐野市にある日本クリケット協会によりますと、市内では、体育などの授業中にクリケットを行う学校もあるということで、子どもから大人まで、多くの人が競技に親しんでいるということです。
練習をしていた中学3年の生徒
「オリンピック競技に選ばれたと聞いて、びっくりしました。いずれ自分も日本代表になって、オリンピックに出場したいです」
高校1年の生徒
「うれしいです。世界ではメジャーなスポーツだと思うので、これを機に、日本でも広がっていくといいと思います」