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中国 コロナの現状は?春節(2023)前に成田や各国の水際対策は

  • 2023年1月4日

中国で新型コロナの感染が急拡大しています。
1月21日から中国の旧正月の「春節」(2023)にあわせた7日間の大型連休が始まります。
また中国は、1月8日から水際対策を見直し、中国人の海外旅行を段階的に再開させていく方針です。

一方、日本は中国からの入国者を対象に入国時の検査を実施するなど、臨時的な水際措置を行っています。
中国のコロナの現状と、各国の水際対策はどうなっているのか、まとめました。

中国のコロナ感染 現状は?

中国では、政府が12月7日に新型コロナウイルスの感染対策を緩和したあと、各地で感染が急拡大しています。

国の感染症対策を担う中国疾病予防センターの専門家は29日、日本人が最も多く暮らす上海や、日系企業が進出している湖北省や重慶などで、感染がピークを迎えていると明らかにしました。

一方、首都・北京や天津などではすでにピークが過ぎたとしていますが、具体的な感染者の人数や今後の見通しなどについては明らかにしていません。

専門家は、さらなる感染の拡大を警戒しています。

専門家
「すでに厳しい冬になり、大勢の人が一斉に移動する旧正月の『春節』も来るので感染状況はさらに複雑になる。できるだけ感染の影響を弱めなければならない」

中国政府 感染症の対応変更

中国政府は、感染症への対応を1月8日から変更します。

中国の感染症分類(厳しい順)
甲類(コレラ・ペスト) 乙類(エイズ・百日ぜき) 丙類 

新型コロナウイルスは、2020年1月以降、エイズや百日ぜきなどと同じ乙類に指定されていますが、扱いは、コレラやペストと同じ最も厳しい対策が求められる甲類並みの対応をとるよう中国政府は指示していました。

1月8日からは、必要とされる対応を甲類並みから乙類の水準に引き下げて、エイズなどと同じ扱いにするとしています。中国政府の対応は次の通りです。

具体的には、患者を強制的に隔離したり、感染が集中した地域を封鎖したりする措置をやめるほか、濃厚接触者の特定も行わないとしています。

また、これまで入国者に義務づけてきた隔離措置を撤廃し、入国後のPCR検査も行いません。

さらに、ビザの発給について一層利便性を高めるほか、国際線の便数制限も撤廃する方針です。

そのうえで、中国政府は感染対策を「予防」から「治療」に転換し、ワクチン接種の推進や、医療体制の充実などを通じて、重症化の防止に力を入れていくとしています。

これに伴い、感染者数の発表は感染状況に応じて頻度を調整し、最終的には月1回にするとしています。

1月21日から春節

中国では、1月21日からは旧正月の「春節」にあわせた7日間の大型連休が始まります。大勢の人が帰省することが予想され、感染拡大で医療体制のひっ迫が深刻になっている地方都市や農村部では医療機関が薬の調達を急ぐなど対応に追われています。

中国では、各地で重症患者が急増し医療体制がひっ迫する一方で、政府は1月8日から水際対策を見直し、中国人の海外旅行を段階的に再開させていく方針を示していて、各国からは感染状況の情報を共有するよう求める声が上がっています。

日本政府の水際対策は?

中国の新型コロナの感染状況などを踏まえ、政府は現在行っている臨時的な水際措置を、1月8日からさらに強化する方針を固めました。中国本土からの入国者に対し、より精度が高い検査を行うなどとしています。

政府は中国での新型コロナの感染拡大を受けて、12月30日から中国本土からの入国者を対象に、抗原検査キットによる簡易的な検査を実施し、陽性となった人を待機施設で隔離するなど臨時の水際措置を行っています。

政府関係者によりますと、年末年始の中国の感染状況や各国の対応を踏まえ、1月8日から水際措置をさらに強化する方針を固めました。

具体的には中国本土からの入国者について、今の簡易的な検査をより精度が高い「抗原定量検査」やPCR検査に切り替えるとともに、直行便での入国者に対し陰性証明を求めるとしています。

また、政府は中国本土からの国際線の増便を行わないよう航空会社に要請する措置について8日以降も継続する方針です。

政府は、今後も中国の感染状況を見極めながら柔軟に対応を検討していく考えです。

成田空港では

中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、12月30日から臨時的な水際措置がとられ、成田空港では、中国からの直行便で到着した乗客が入国時の検査を受けていました。

検査の結果は1時間ほどで出て、陰性だった人たちは順次、到着ロビーに出ていました。

上海から一時帰国した男性
「検査の結果が出るまで1時間ほど待つことになりましたが、中国では感染が広がっているのでしかたがないと思います」

中国在住の日本人の女性
「中国では周りで多くの人が新型コロナに感染しています。入国時の検査は不便ですが、感染拡大を防ぐためには必要なことだと思います。2年9か月ぶりに日本の両親と会うので家族団らんを楽しみたいです」

各国の水際対策は

ヨーロッパ各国は、新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国からの入国者を対象に水際措置を強化すると発表しました。

イギリス政府
12月30日、1月5日以降中国からイギリスへ直行便で入国する乗客は、出発前の2日以内に受けた新型コロナウイルスの検査の陰性証明の提示を義務づけると発表しました。
イギリス政府は対策強化の理由について中国から包括的な衛生情報が共有されていないなど情報不足を指摘しています。

このほか1月8日からは、新たな変異株に感染している人がいないか確認するため、到着時にも検査を行うとしています。

フランス政府
30日、中国からフランスへ航空便で入国する乗客は、出発前の2日以内に受けた検査の陰性証明の提示を義務づけると発表しました。
この措置は1月1日にも始まる見通しで、ほかの国を経由して到着した場合も対象となるほか、機内ではマスクの着用も義務づけるということです。

フランス政府は対策強化の理由として、旧正月を迎える1月、中国からの入国者の増加が見込まれることや、人の往来が増えることで新たな変異株が出現する懸念が高まっていることなどをあげています。

スペイン
30日、中国から入国する乗客に陰性証明かワクチン接種の証明書の提示を義務づけると発表。

イタリア
中国から入国した乗客を対象に検査。

韓国
新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国からの入国者を対象に、水際措置を強化すると発表。2月末まで入国の前後にPCR検査を義務づけるほか、1月末までは短期ビザの発給も制限するなどとしています。

また、入国検査を効率的に行うため、中国からの航空機の到着はインチョン(仁川)空港に一元化されるほか、1月末までは、外交や公務、人道的な理由などを除いて、短期ビザの発給も制限するとしています。

中国が1月、旧正月の「春節」を控える中、韓国政府としては、水際措置を強化することで国内への影響を最小限に抑えたい考えです。

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