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2023年の値上げ7000品目超 2月が最多 40年ぶりの物価高

  • 2022年12月30日

家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる先月・11月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月より3.7%上昇しました。
値上げは来年も続きます。
2023年、値上げが予定される食品や飲料は7000品目を超えたことが信用調査会社の調査でわかりました。

消費者物価の上昇率 40年ぶり

消費者物価の上昇率 40年ぶり総務省によりますと、先月・11月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が、去年11月の100. 1から103.8に上昇しました。

上昇率は3.7%となり、第2次オイルショックの影響が続いていた1981年12月以来、40年11か月ぶりの水準となります。

主な要因は原材料価格の上昇に加えて円安の影響が重なった食料品の相次ぐ値上げで、「生鮮食品を除く食料」は去年の同じ月より6.8%上昇しました。

生鮮食品を除く食料
食用油 35%↑
ポテトチップス 18%↑
ハンバーガー 17.9%↑
食パン 14.5%↑
からあげ 11.6%↑
からあげ 11.6%↑
国産 豚肉 11.6%↑
牛乳 9.5%↑

 

エネルギーほか
ガス代 21%↑
電気代 20.1%↑
ガソリン 1%↓
家具・家事用品 7.3%↑
シャツ・セーター・下着類 3.1%

 

総務省
「来年2月には食料品などの値上げが相次ぎ、ことし10月と同じように価格改定の山があるとみられる。引き続き、食料やエネルギー価格の動向を注視していきたい」

2023年の値上げ 7000品目

2023年も値上げは続きそうです。
「帝国データバンク」は12月21日の時点で、国内の主な食品や飲料メーカー、105社に調査を行い、値上げの動きをまとめました。

それによりますと、2023年1月から4月に値上げが予定される食品や飲料は再値上げなどを含めた累計で7152品目となりました。
これは、ことしの同じ時期と比べるとおよそ1.5倍に増えています。

月別でみると2023年2月は4277品目と多く、ことし10月と同じように「値上げラッシュ」となる可能性があるとしています。

また2023年の値上げ率は平均で18%となっていて、ことし1年間の平均の14%を上回り原材料の高騰や円安によるコストの増加、人件費の上昇などで大幅な値上げを行う企業が相次いでいるということです。

2023年、値上げされる品目は次の通りです。

冷凍食品や水産缶詰などの加工食品 3798品目
輸入ワインなどの酒類・飲料 1442品目
しょうゆやドレッシングなどの調味料 1343品目

帝国データバンク
「値上げが2回目、3回目というケースが増えているほか価格は変えないものの、商品の内容量を減らすことで実質、値上げをする企業も目立っている。商品への価格転嫁は十分に進んでおらず、採算があわないとして価格を見直すケースは今後も相次ぐとみられる。来年も値上げが断続的に続く可能性が高い」

来年値上げする企業「苦渋の判断」

静岡県に本社がある食品メーカー「はごろもフーズ」は2023年1月と3月に缶詰や食品などをそれぞれ値上げをします。

このうち、マグロやカツオを使った主力商品のツナ缶など65品目は1月4日の出荷分から値上げされます。値上げ率は4.8%から25%です。
マグロを使った70グラム入りの缶詰は200円から225円となり、12.5%の値上げになります。

この会社ではことし7月と9月にも商品の値上げを行っていますが、値上げを続ける背景には原材料価格の高騰があります。

会社によりますと缶詰の原料となるキハダマグロの仕入れ価格は円安などの影響で去年に比べておよそ1.5倍に上昇しました。
さらに、食用油の仕入れ価格も去年より1.3倍ほど値上がりしたほか、円安などを背景にした資源価格の高騰で缶に使用するスチールやアルミの価格も上がっているということです。

会社が懸念するのは値上げによる消費者の買い控えです。4年前に値上げした商品の販売が大きく落ち込んで回復するまでに数か月かかったケースもあったということです。来年も値上げした直後は売り上げが落ち込むと予想しています。

そのため、キャンプ用の食料として缶詰をホームセンターに売り込むなど販路拡大に向けた取り組みを強化することにしています。

「はごろもフーズ」 越智崇佳マネージャー
「値上げは苦渋の判断です。来年の販売にどう影響が出てくるのか心配です」

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