「あなたの心臓 大丈夫?」①~心臓チェック~

23/05/22まで

健康ライフ

放送日:2023/01/23

#医療・健康#カラダのハナシ

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23/05/22まで

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【出演者】
坂田:坂田泰史さん(大阪大学 大学院 教授)
聞き手:大久保彰絵 キャスター

「心臓の健康状態を調べるセルフチェック」

――そもそも、心臓というのはどういう働きをしているんでしょうか。

坂田: 心臓は常に拡張と収縮を繰り返して、酸素や栄養を全身に送り出すポンプのような働きをしているんですけれども、大久保さん、1日に何回ぐらい拍動していると思われますか。

――1日にですか。結構数は多そうですが、何千とか、もしかしたら何万とかいきますか?

坂田: 実は、1日10万回以上も拍動しているんです。送り出す血液の量は1日約8,000リットルで、一般的な家庭のお風呂でいえば、大体30杯分ぐらいに相当します。

――えっ、お風呂30杯分くらいの血液を、毎日毎日送り出しているんですか。

坂田: そうなんです。よく「心臓が悪い」というふうな言い方をするんですけれども、これは、何かの理由によって心臓のポンプ機能を十分に発揮できなくなっているという状態のことです。血液がスムーズに循環できなくなって、時には命に関わることがあります。
ところが、このポンプの働きが低下しても、最初は自覚症状がなくて分かりにくいということがあるんです。ですので、今回は「心臓の健康状態を調べるセルフチェック」をご紹介したいと思います。

――心臓のセルフチェック法、ぜひ教えてください。

坂田: ✓ 階段を上るのがつらくなってきた
✓ 夜、寝るとせきが出る
✓ 夜、寝苦しくなって目が覚める
✓ 横になると息苦しいが、起きていると少し楽になる
✓ 足や顔のむくみが強くなってきた

“階段を上るのがつらい”とか、“夜、寝るとせきが出る”などはよくあることかもしれませんが、1つでも当てはまる症状があれば「心不全」の疑いがあると思います。

「心不全」とはどういう病気?

――そうなんですか。その、心不全、どういう病気なんですか。

坂田: 心臓のポンプの働きが低下して、全身にいろいろな症状を起こしてしまう、これが心不全ということになります。「息切れや息苦しさ」、または「むくみ」などがある場合は、ひどくならないうちに、心臓を専門とする循環器内科を受診していただければと思います。

――項目の中の“階段を上るのがつらい”ですとか“夜、寝るとせきが出る”、こういうことが心臓と関係があるっていうのは、少し意外な気もしますよね。

坂田: はい。ただ、実際にはそれが心不全と思わない人も多いんです。そこで、息切れやむくみなどがあったら、ひどくならないうちにお医者さんにご相談いただければと思います。そうすれば、心不全を早期に発見できると思います。

心不全が起こる原因とは?

――この、心不全というのは、そもそも何が原因で起きるものなんですか。

坂田: 一般的には、年齢が上がる……高齢になるほど、心臓の働きというのは低下していくと考えられています。で、そこに病気が加わりますと、心臓の機能がより悪くなって、心不全につながるわけです。その原因として多いのは「高血圧」と考えられています。心不全になりやすい、高血圧の人は、日本では4,300万人ぐらいいるんじゃないかといわれています。高血圧の方は〝心不全予備軍〟といえますので、しっかり高血圧の治療をすることが大事です。

――わかりました。ただ、これまで元気そうでも、急に心臓の機能が悪くなるということもありますよね。

坂田: はい。時々あります。例えばですが、「心筋梗塞」という病気になって、急な心不全……急性の心不全になるということがあります。心筋梗塞は、心臓を取り巻く「冠動脈」という血管が、血の塊・血栓などによって完全に詰まってしまう病気です。詰まった先の心臓の筋肉、「心筋」といいますが、それは非常に壊れやすいので、急に心臓の働きが低下してしまって、息切れなどの症状が急に起こります。そのため、これを「急性心不全」といいます。
心筋梗塞以外にも、急性心不全を起こす病気はたくさんあるのですが、急性心不全になってしまって入院になってしまうと、日本のデータではおよそ5%が入院中に亡くなってしまう、20%ぐらいが1年以内に亡くなってしまっていると考えられています。

――そうなんですか。心不全、危険なんですね。これは注意しないといけないですね。

坂田: そうですね。心不全はご高齢の方に多いため、気付かないうちに進行するということもあります。“年のせい”だと思わないようにしていただいて、早めに受診・治療をするということが、心臓を守ることにつながると思います。ぜひ、少しでも“おかしいな”というふうに思われたら、早めに受診いただければと思います。

――では坂田さん、最後にきょうのポイントをお願いします。

坂田: 息切れや息苦しさ、または、むくみが続く場合は要注意。

【放送】
2023/01/23 マイあさ! 「健康ライフ」 坂田泰史さん(大阪大学 大学院 教授)

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