「1日を元気に! 健康朝食術」⑤ ~摂取カロリーが気になる人の朝食~

24/03/15まで

健康ライフ

放送日:2024/02/16

#医療・健康#カラダのハナシ

放送を聴く
24/03/15まで

放送を聴く
24/03/15まで

【出演者】
種村:種村陽子さん(東京慈恵会医科大学付属病院 栄養部)
聞き手:福島佑理 キャスター

痩せるには朝食をきちんと食べること

――朝食をきちんと食べたほうが痩せられる、ということでしたね。

種村:
そうですね。摂取カロリーが気になる人というのは、もともと肥満があったり、体重が増えてきたという人かと思います。そんな人でもまずは「毎日、朝食を食べる」ということを試してほしいです。
朝食を抜くと、前日の夕食から当日の昼食までの間、何も食べないことになり、食事の間隔が空きすぎてしまいます。その結果、体は次に食べ物が入ってきたときによりエネルギーを蓄えようとするため、太りやすくなってしまいます。さらに、食べたものを効率的にエネルギーにする“代謝”も悪くなってしまいます。そのため、太りやすくなっている可能性があります。

――まずはきちんと朝食を食べる習慣をつける、ということが大事なんですね。

朝食の内容を見直そう

――ただ、それでも体重が増えてきてしまった場合はどうしたらいいでしょうか。

種村:
次に気をつけるのは「朝食の内容」ですが、どういうものを食べているのかが大切です。改めて見直してみましょう。
朝から、夕食の残り物で豚カツやから揚げのような揚げ物をよく食べる、さらに丼物をよく食べる、というような朝食ではカロリーオーバーになります。実際、患者さんから相談を受けて食事内容を見てみると、これは朝からカロリーが高いものを食べ過ぎ、というようなケースも多く見られます。
また、パンにバター・ジャム・マーガリンなどをたっぷりと塗ってしまうのもよくありません。サラダのドレッシングやマヨネーズにも注意が必要です。脂肪分や油など、エネルギーの多いものについては少量使うことをおすすめします。

――ダイエット中なので朝はサラダだけ、というのはどうでしょうか。

種村:
これも相談が多いです。サラダだけではエネルギーが足りず、体が次の食事をため込んでしまいます。朝・昼・夕の3食、できれば同じぐらいに食べてほしいです。

――まずはきちんと朝食を食べること、さらには朝食の内容もバランスよく食べる、ということが大事なんですね。

種村:
そうですね。

3つの工夫

種村:
摂取カロリーが気になる人に行ってほしい3つの工夫があります。

――その3つの工夫、教えてください。

種村:
1.野菜を先に食べる「ベジファースト」

――野菜を先に食べるベジファースト、これ、聞いたことありますけれども、どんな効果があるんですか。

種村:
野菜に含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにして、血糖値の急上昇を防いでくれます。血糖値の急上昇を抑えることで、余った糖分が脂肪に変換されるのを防ぐことができます。
まずはサラダなどの野菜をとったあとに、ごはんやおかずをとるのがおすすめです。

――工夫の2つ目は何でしょうか。

種村:
2.よくかんで食べること

よくかんで食べると、早食いを防止して満腹感が得られやすくなり、肥満予防につながります。また、よくかむことでホルモン分泌が高まり、食欲が抑えられたり、ゆっくり味わうことで薄味・適量が平気になります。
かみ応えのあるもの、例えばシリアルやグラノーラ、玄米。パンであれば、ライ麦パンやフランスパンなどがおすすめです。逆に、お茶漬けや雑炊のように、あまりよくかまないものは注意が必要です。

――雑炊はスルスルと食べられてしまうからよくない、ということですか。

種村:
そうですね。満腹感が得にくくなります。

――歯応えがあるような、シリアルやグラノーラがおすすめということですね。
では、工夫の3つ目は何でしょうか。

種村:
3.ごはんはいったん冷凍すること

――ごはんはいったん冷凍する、どんな効果があるんですか。

種村:
ごはんを食べるときは、温かいままよりも、いったん冷蔵もしくは冷凍します。冷えることで「レジスタントスターチ」、つまりでんぷんが変化して消化されにくくなり、そのまま体外に排出されます。また、レジスタントスターチは大腸に運ばれ、食物繊維に似た働きをするといわれています。

――冷凍したものを電子レンジで温めても効果はあるんでしょうか。

種村:
はい。実は、一度形成したレジスタントスターチを電子レンジで再加熱しても、元のでんぷんには戻らないことが分かっています。

――このレジスタントスターチが起こるのはお米だけなんですか。

種村:
芋類でも同じことが起こるといわれています。例えばポテトサラダです。ポテトサラダを作るときには、じゃがいもを一度加熱してから冷ますので、同じことが起こります。また、コーンフレークは一度加熱して冷ました食品になるため、レジスタントスターチが多く含まれています。

――これ、芋類やお米でも起こるということで、時間がない朝だからこそうまく使って、朝食を食べるようにしたいですね。
では最後に、今回のポイントをお願いします。

種村:
摂取カロリーが気になる人は、ベジファーストと、よくかむこと。そして、冷凍などをうまく活用しよう。


【放送】
2024/02/16 「マイあさ!」

放送を聴く
24/03/15まで

放送を聴く
24/03/15まで

この記事をシェアする

※別ウィンドウで開きます