「骨粗しょう症を防ぐビタミンD」③ ~ビタミンD アップレシピ~

24/04/24まで

健康ライフ

放送日:2024/01/17

#医療・健康#カラダのハナシ#レシピ

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24/04/24まで

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【出演者】
越智:越智小枝(おち・さえ)さん(東京慈恵会医科大学 教授)
聞き手:福島佑理 キャスター

ビタミンDはどんな食材に多く含まれている?

――98%の人がビタミンD不足になっていることを調査で突き止めた、東京慈恵会医科大学教授の越智小枝さんにお話を伺います。
「ビタミンD」はカルシウムの吸収を促す、丈夫な骨には欠かせない栄養素。ビタミンDは食べ物から摂取されるものと、日光に含まれる紫外線を浴びることで皮膚から作られるものの2種類がある、ということでした。今回は〝食事からとるビタミンDについて〟です。これも不足しないようにしたいですよね。
改めて、ビタミンDはどんな食品に多く含まれているんでしょうか。

越智:
ビタミンDが豊富な食品の中には「さけ、さんま、まぐろ、さば、しらす、ちりめんじゃこのような魚類」と「干ししいたけ、乾燥きくらげ、エリンギ、まいたけなどのきのこ類」、そして「卵」などがあります。

――干ししいたけや乾燥きくらげなど、それぞれ干したものとなっていますが、これは生のものより、干したもののほうがいいんでしょうか。

越智:
しいたけやきくらげも、人と同じで日光や紫外線を浴びることでビタミンDが増える、という性質を持っています。ですから、ポイントは「天日干し」です。
一方、生のしいたけやきくらげにビタミンDはあまり含まれていないので、ビタミンDをとるためには天日干ししたものをおすすめします。

――ポイントは天日干しなんですね。これらの食品は、具体的にはどのくらいとればいいでしょうか。

越智:
1つの食品でたくさんとるというのは、無理がある場合もあります。実際に摂取量を計算しながら食事をとることが非常に難しいので、積極的にとろう、という意識が大切なのかなと思います。
ビタミンDが豊富な食品をいろいろ組み合わせて、1日に1回は食事に加える、ということを意識してみるといいんじゃないでしょうか。

効率のよいビタミンDのとり方

――できれば効率的にビタミンDをとりたいですが、効率よくとる秘けつはありますか。

越智:
はい、あります。ポイントは2つあります。
1つは「カルシウムとセットでとる」こと、もう1つは「あぶらと一緒にとる」ということです。

――「カルシウムとセットでとる」、そして「あぶらと一緒にとる」。
順番に伺っていきます。カルシウムとセットでとったほうがいいというのは、なぜなんですか。

越智:
ビタミンDというのは、腸からのカルシウムの吸収を助けてくれるという作用があります。そのためにカルシウムと同時にとることで、たくさんのカルシウムが体内に取り込まれるということが期待できます。

――どんな料理がおすすめですか。

越智:
そうですね、毎日の食事に〝ちょい足し〟できると継続しやすいんじゃないかと思います。
例えば、ビタミンDやカルシウムが豊富な「さばのみそ煮缶」、これをカルシウムが豊富な「豆腐」にちょい足しする。さばの缶詰は骨ごと食べられるので、それ自体でもカルシウムがたっぷりになります。

――さばのみそ煮缶を豆腐にちょい足し。身近にあるものですぐに実践できそうですね。
ほかにはどんなものがありますか。

越智:
例えば、ビタミンDが豊富な「さけ」に「チーズ」をちょい足しして焼く、とか。この場合もカルシウムが豊富なチーズ、ビタミンDが豊富なさけ、という組み合わせになります。特に、さけの皮の下にビタミンDが多いので、皮も一緒に食べるのがおすすめです。

――皮の部分、おいしいですもんね。食べたほうがいいということなんですね。
続いて、効率よくとるポイントの2つめ、あぶらと一緒にとるといいんですね。

越智:
はい。ビタミンDは「脂溶性ビタミン」といって、あぶらに溶けやすい性質を持つものです。脂溶性ビタミンはあぶらと一緒に調理することで吸収率が高まる、ということが知られています。ですから、「炒め物」や「揚げ物」などのあぶらを使う料理にすることがおすすめです。

――こちらはどんな料理がおすすめですか。

越智:
そうですね、卵焼きの具にするのが一番手軽でおすすめかもしれません。「卵」というのはビタミンDやカルシウムを豊富に含んでいます。ビタミンDが豊富な卵と「ツナ」に、カルシウムが豊富な「牛乳」「チーズ」「ほうれんそう」を入れる、などがあります。
ツナ缶の油をちょい足しすると、吸収率がアップするのではないかと思います。

――卵とツナに、牛乳、チーズ、ほうれんそうを入れる、そしてツナ缶の油をちょい足しする、と。
冷蔵庫にあるものですぐにできそうですね。教えてもらったことを参考に、私もビタミンDを意識して日ごろからとっていきたいなと思いました。

越智:
ビタミンDというのはどうしても不足しがちですけれども、毎日ちょっと意識することでだいぶ改善できると思います。
食事だけ、日光浴だけ、どちらか1つでビタミンDを十分作るのはなかなか難しいので、魚や干ししいたけをメニューに入れたり、日光をうまく使って、ビタミンDをコツコツとってみてください。

栄養をサプリでとるのは?

――食事ではなく、サプリメントで栄養をとる、というのはどうなんでしょうか。

越智:
サプリメントというのは、過剰摂取を長期に続けてしまうと、かえって体に負担をかけることにもなりますので注意が必要です。
食事で過剰摂取になることはほとんどないので、健康な人は食事から栄養をとるようにするほうがおすすめかもしれません。また、サプリメントをとる場合には、必ず医師や薬剤師などに相談して、適切な量を摂取するようにしていただければと思います。

――では最後に、きょうのポイントをお願いします。

越智:
ビタミンDは「カルシウムとセットでとる」、「あぶらと一緒にとる」。


【放送】
2024/01/17 「マイあさ!」

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24/04/24まで

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