「頭痛は減らせる!」⑤ ~頭痛を予防する体操~

24/03/01まで

健康ライフ

放送日:2023/11/03

#医療・健康#カラダのハナシ

放送を聴く
24/03/01まで

放送を聴く
24/03/01まで

【出演者】
五十嵐:五十嵐久佳さん(北里大学客員教授 日本頭痛学会理事)
聞き手:福島佑理 キャスター

2つの頭痛体操

――頭痛は、体操で予防できるんですか。

五十嵐:
はい。「緊張型頭痛」というタイプの頭痛には、血流を促してリラックスすることが効果的なんです。
緊張型頭痛は、頭の両側または全体が圧迫されるとか、締めつけられる痛みが特徴です。首や肩の筋肉が緊張して、血流が悪くなってコリが生じることで起こるといわれています。
片頭痛のような吐き気は起こりませんし、動いても痛みは強くなりません。ただ、精神的なストレスと関係して起こる場合も多く、リラックスすることは予防のポイントになることもあります。体操などで血行をよくしたり、体の緊張をほぐしてあげることが大事なんです。

――具体的には、どんな体操を行えばいいんでしょうか。

五十嵐:
簡単な「頭痛体操」を2つご紹介しますね。これは上半身、特に肩や首の周りをほぐす運動です。

――ぜひ教えてください。

五十嵐:
まず1つ目は「腕を振る体操」です。これは、首の後ろにある筋肉をほぐす効果があります。

◆ 両腕を胸の位置の高さに、水平になるように上げます
◆ 両ひじを軽く曲げます。このとき、腕にあまり力を入れ過ぎないでください
◆ 顔は正面を向いて動かさず、左右の肩を交互に突き出すように伸ばします

これを繰り返していくわけです。

――胸の位置に、水平に腕を置きまして……。

五十嵐:
ひじを軽く曲げて、腕にあまり力が入り過ぎないようにしてください。

――こぶしを突き合わせる形ですね。
そして顔は正面。
右ひじを後ろ、左ひじを前、とねじる。次は左ひじを後ろ、右ひじを前、とねじる。

五十嵐:
1、2、1、2、くらいの速さですね。

――1、2、とねじる。上半身をねじる形ですね。顔は前、と。
これは何回ぐらい行えばいいですか。

五十嵐:
1回あたりが2分程度で、これを1日3回行えるといいですね。難しければ、もちろん1回でもやったほうがいいと思います。

――もう1つはどんな体操ですか。

五十嵐:
今度は「肩を回す体操」です。これは、首から背中の筋肉をほぐす作用があります。

◆ 両ひじを軽く曲げます
◆ リュックを背負うように、両腕を後ろから前にグッと回します
◆ 今度はコートを脱ぐような感じで、両腕を前から後ろに回します

ポイントは、肩甲骨を寄せるように大きく肩を回すことです。

――肩甲骨を意識して……。

五十嵐:
そうです。
ぐるっと後ろに回すときには肩甲骨を寄せる、前のところはリュックを背負うように、ですね。これを繰り返します。

――大きく肩を回す、と。
これは何回くらい行えばいいでしょうか。

五十嵐:
6回を1セットにして、1日3回行えるといいと思います。もちろん、時間があるときに少しずつ行ってもいいですね。

――今、ちょっとやっただけでも肩の周りがすっきりした感じがします。これは緊張型頭痛以外の頭痛にも効果はありますか。

五十嵐:
はい。片頭痛の方にも効果があります。ただし、片頭痛の発作中は動くと痛みが強くなりますので、これは避けていただかなくてはいけませんし、もちろん、激しい頭痛とか発熱があるときなどには、この体操はしてはいけませんね。

力まない習慣を身につけ、リラックス

――頭痛体操以外にも、頭痛の予防に効果があることはありますか。

五十嵐:
姿勢を正しくすることと、「力まない」習慣を身につけることです。これ、なかなか難しいんですけれども大事です。

――まずは姿勢について伺いましょう。どんなことに気をつけたらいいでしょうか。

五十嵐:
猫背であごが上がってしまう人は、あごをちょっと引いてください。それを意識していただくといいと思います。
それから、スマートフォンを使っているときはどうしても猫背になりやすいんですね。ですから、使い過ぎは要注意です。
座っているときに、足を組まないようにするということも大事です。

――あの、全てやっていたような気がします……。
力まない習慣というのは、姿勢を気をつけること以上に難しいような気もするんですが、リラックスするにはどんなことに気をつけたらいいでしょうか。

五十嵐:
医療機関で筋肉への力の入り方を確認するという方法もあるんですが、なかなかそういう施設は少ないです。自分でやってみるなら腹式呼吸やヨガなどがおすすめなんです。
首や肩が冷えると、血流が滞ってコリが強くなります。ですから首の周りを温めたりとか、ぬるめのお湯にゆっくり入って、しっかり体全体を温めてリラックスするということも効果的です。

――腹式呼吸、どのように意識したらいいでしょうか。

五十嵐:
まず、吐くことから始めます。
◆ おなかをへこませながら、ゆっくり息を吐きます
手をおなかにのせていただいて、そして、ゆっくりハーッと息を吐くときにおなかがへこむのを、自分で感じ取っていただきたいです。

◆ ゆっくりと、鼻から息を吸います
このときは、おなかがふくらんでいるかを手で確認します。

これは、ストレスを感じたときなどに気持ちが落ち着いてくる作用がありますので、何回か繰り返すといいと思います。

――頭痛予防について伺ってきましたが、大切なことはどんなことでしょうか。

五十嵐:
第一は、頭痛薬をのみ過ぎないことです。頭痛薬をのみ過ぎることによって頭痛が悪化することがありますので、頭痛薬ののみ過ぎにはぜひ注意してください。
それから、つらい頭痛があれば我慢せずに、ぜひ医師の助けを借りていただきたいと思います。
頭痛を減らすためには、適度な運動、良質な睡眠など、生活改善も大事です。


【放送】
2023/11/03 「マイあさ!」

放送を聴く
24/03/01まで

放送を聴く
24/03/01まで

この記事をシェアする

※別ウィンドウで開きます