【出演者】
赤石：赤石定典さん(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 管理栄養士)
聞き手：星川幸 キャスター
食べてやせるための「３つのバランス」
――ダイエットを続けたり、リバウンドしないためには食べてやせることがおすすめ、ということでしたね。
赤石：
はい。実際、食べながらダイエットをしている方はたくさんいらっしゃいます。うちの病院でも、生活習慣病の治療を目的とした入院の患者さんがいらっしゃいます。この患者さん方は、バランスのよい食事……病院食はバランスがよい食事なんですが、それを３食しっかり食べることによって、確実にやせています。
食べてやせるには、「３つのバランス」が大事です。
栄養バランス
――食べてやせるための３つのバランス。では、１つ目は何ですか。
赤石：
◆ 栄養バランス
３大栄養素、たんぱく質・脂質・炭水化物。
たんぱく質が13％～20％、脂質が20％～30％、炭水化物が50％～65％、これが「黄金のバランス」とされています。これらを意識して食べることで、エネルギーが燃焼しやすくなり、体が栄養不足にならず、やせていきます。
――ああ、たんぱく質が13％～20％などと結構細かく決まっているんですね。これ、計算しないといけないっていうことですか。
赤石：
いえいえ、なかなか全て計算するのは大変ですので、コツがあります。
まず、「たんぱく質を積極的に食べる」ということ。統計的に、やせない方の多くが脂質と炭水化物をとりすぎる一方で、たんぱく質が少ないといったことが多く見られます。たんぱく質の量を多く摂取する、ということを意識してください。
――たんぱく質が大事、ということなんですね。どんなものをとればいいんでしょうか。
赤石：
肉類、魚介類、卵、大豆製品といったものがおすすめです。
――どのくらいの量をとればいいですか。
赤石：
目安としましては、お肉とかお魚は１食で100g程度です。片手に乗るぐらい、と思っていただけるといいと思います。
食品のバランス
――栄養バランスでは、たんぱく質を積極的にとることが大事、ということですね。
食べてやせるための３つのバランス、２つ目は何ですか。
赤石：
◆ 食品のバランス
特に、野菜を多くとることを心がけてください。３大栄養素の吸収や代謝を高めるには、ビタミンやミネラル、そして、余分な脂肪の排出を助ける食物繊維が必要になります。特に、「中高年は野菜を多くとってもらいたい」です。
――どうしてですか。
赤石：
20代をピークに、年々ビタミンの吸収率が下がってしまうからです。ビタミンの種類にもよりますが、40代から60代では吸収が30％以下になる、といった研究結果もございます。若いころよりも野菜の量を増やす、ということが重要になります。
――野菜の量を増やすためのコツはあるでしょうか。
赤石：
野菜ってゴワゴワしてなかなか食べづらい、といった話を聞きます。野菜の“かさ”を減らすには野菜を蒸したり、電子レンジで加熱する、といったことでかさが減ってきますのでおすすめです。
朝・昼・夕、３食のバランス
――食べてやせるための３つのバランス、最後、３つ目は何ですか。
赤石：
◆ 朝・昼・夕、３食のバランス
――３食のバランス、どんなバランスが理想なんでしょうか。
赤石：
朝食が「３」、昼食が「４」、夕食が「３」、これが１日の理想のバランスというふうに考えています。
星川さんはどのぐらいのバランスで召し上がっていますか。
――食事の量のバランス、朝食が２、昼食・夕食がそれぞれ４、っていうようなところでしょうか。
赤石：
まあ、一般的ですね。でも、それではやはりダイエットには難しいかもしれません。
――ああ、そうですか。
赤石：
大切なことは、「夕食の割合を減らす」ということなんです。ですので、先ほど夕食を「３」と申し上げましたが、「２」でもいいぐらいかもしれません。といった形で、１日の中で夕食の割合を減らすということが大切です。夕食を控えめにして、その分を朝食と昼食に割り当ててほしいです。
――夕食を控えめにしたほうがいいのは、どうしてですか。
赤石：
朝食・昼食は、食べたあとに活動しますよね。なので、エネルギーを消費しやすいんです。一方で夕食は、食べたあとは寝る準備に入りますので、エネルギーの消費を抑えることになります。ですので、夕食のボリュームを下げたいんです。
――この３つのバランスで、どのくらいやせてくるものでしょうか。
赤石：
最初はなかなかやせられないかもしれません。継続すれば、１か月間で１kgくらいやせられます。
１か月間で１kg？ と思うかもしれませんけれども、苦痛を感じることも、我慢することも少なく、楽にやせられると思いますのでおすすめです。
――では最後に、きょうのポイントをお願いします。
赤石：
たんぱく質、野菜をしっかり食べて、夕食を少なくする。
【放送】
2023/06/13 「マイあさ！」
この記事をシェアする