【出演者】
永井:永井多賀子さん(日本大学病院 准教授)
聞き手:田中孝宜 キャスター
足のグーパー運動
――永井さん、痛いときに腰を動かしても大丈夫なんでしょうか。
永井: | 痛いときは、腰を直接動かすような動きは禁止です。ただし、腰を起こさなくても、下半身や上半身を動かすことによって腰にいい影響を与え、腰痛の緩和につながることが期待できます。 今回は最後に、腰が痛いときでも安全に行えるストレッチを紹介いたします。 |
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――では「痛いときのリハビリ」をご紹介いただきます。注意はありますか。
永井: | まず、無理はしないことです。特に、痛みが強くなるようなら中止してください。 |
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――どのような運動なんでしょうか。
永井: | まずは下半身の運動、「足のグーパー運動」です。寝た姿勢でも、いすに座った姿勢でもかまいません。 ◆ まず、足の指を広げて、“パー”を作ります。 ◆ 次に、足の指をギューッと閉じて、“グー”を作ります。これがグーパー運動です。 ◆ このグーパーを繰り返して行います。 |
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――今、私、いすに座っているんですが、座ったまま足のグーパー運動を行いたいと思います。まず、足の指を広げてパー。これ、両足同時で大丈夫ですね。
永井: | はい。両足同時で大丈夫です。 |
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――パーをしてます。そして、足の指を閉じてグーをする。またパーをする。グーをする。これ、何回ぐらいやればいいですか。
永井: | そうですね、5回~10回やっていただくといいと思います。 |
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――これはどんな効果がありますか。
永井: | 足のグーパー運動を行うことで、血流促進の効果があります。血流が促進されると、痛み物質が血流によって流されて、痛みが軽減されます。また、指の運動をすることで立っている姿勢が安定し、姿勢改善や腰痛予防にもつながります。 |
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首・背中を伸ばすストレッチ
――永井さん、次は上半身の運動ですか。
永井: | はい。上半身の運動、「首・背中を伸ばすストレッチ」です。 ◆ まずは、あおむけに寝たまま、手を頭の上に伸ばします。 ◆ 次に、手をグーッと引っ張り上げて、首や背中が伸びているのを感じます。 |
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――まず、あおむけに寝るんですね。で、手を頭の上に伸ばしてストレッチ……実は私、五十肩の後遺症があって完全に上がりきらないんですけれども、これは大丈夫ですか。
永井: | はい。できる範囲で大丈夫です。無理をしないことが大事です。 |
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――リスナーの皆さんも、決して無理はしないようにしてくださいね。この、頭の上で両手を伸ばすという運動の効果は、どういうものなんですか。
永井: | 首や背中は、腰と筋肉でつながっています。腰や背中を伸ばすことで、腰の筋肉にもいい影響があります。 |
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ひざ抱えストレッチ
永井: | 次は「ひざ抱えストレッチ」を行います。 上半身や下半身の運動を行って、ある程度の腰の痛みが落ち着いて、動けるようになってから行うようにしましょう。くれぐれも無理のないように。痛みを感じるようでしたら、すぐに中止してください。 ◆ まず、あおむけに寝ていただきます。 ◆ 肩や腰回りの力を抜いて、ゆったりと呼吸を繰り返していただきます。 |
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――私はあおむけに寝てるんですけれども、ゆったり、呼吸を繰り返せばいいですね。
永井: | はい。これだけでも腰のストレッチになります。 ◆ 次に、両ひざを体育座りのように曲げていただきます。ひざを胸の方に引き寄せて、両手で抱きかかえます。 |
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――両ひざを曲げて、体育座りのように、胸の方に引き寄せる。両手で抱きかかえるような形、ですね。
永井: | このとき、腰が浮かないようにしてください。しっかり床につけたままで行います。 |
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――腰が浮いてしまったらダメなわけですね。
永井: | はい。 ◆ 肩や腰回りの力を抜いて、そのままゆったりと、自然な呼吸を繰り返して行います。 |
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――肩・腰回りの力は抜く。ゆったりと普通に、呼吸を繰り返せばいいですね。
永井: | はい。 ◆ そのあと、ゆっくりとひざを元に戻していただきます。 |
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――ゆっくり元に戻すと。確かに、かなりストレッチ……引っ張られる感じはありますね。
永井: | そうですね。太ももやお尻の筋肉のストレッチにもつながります。また、緊張している筋肉を伸ばしてあげることで、痛みの緩和や再発の予防につながります。 |
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――どれぐらいの回数をやるのがいいですか。
永井: | 最初は1~2回から行うようにしましょう。徐々に回数を増やしていってください。5回~10回できるようになれば十分です。 |
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――はい。では、永井さん、最後にきょうのポイントをお願いします。
永井: | 痛いときのリハビリに無理は禁物。上半身や下半身から、徐々に動かそう。 |
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【放送】
2023/04/13 マイあさ! 「健康ライフ」 永井多賀子さん(日本大学病院 准教授)
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