「動いて治そう! 腰の痛み」③ ~柔軟性を高めるストレッチ~

23/08/23まで

健康ライフ

放送日:2023/04/12

#医療・健康#カラダのハナシ

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23/08/23まで

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【出演者】
永井:永井多賀子さん(日本大学病院 准教授)
聞き手:田中孝宜 キャスター

腰の柔軟性が失われると?

――この回の後半に、いすに座ってできるストレッチをご紹介します。
実は、私は体が硬くて、本当に困ってるんですよね。

永井: 腰が硬くて困っている方も多いと思いますので、ぜひ、これからお教えしますストレッチも始めていただければと思います。
腰の柔軟性が失われると、腰痛に悩まされるだけではなく、骨盤が前に傾斜して、下腹部を突き出したような姿勢にもなってしまいます。“ぽっこりおなか”の原因となったり、便秘を起こすこともあるといわれています。
また、下半身がうまく引っ張り上げられないようになりますと、足を引きずるように歩く癖がついてしまったり、階段でつまずきやすくなったりすることもあります。

――ぽっこりおなかになったり、つまずきやすくなるっていうのは、実は私、気になっていたんですね。最近。

永井: では、ぽっこりおなかもつまずきやすさも、ストレッチで一緒に治していきましょう。

――はい。

永井: では、「腰の柔軟性チェック」を紹介したいと思います。実際のリハビリ時にも患者さんが行っているものです。実は、腰の柔軟性を保つことが腰痛予防や痛みの緩和にとても重要なんです。

――腰の柔軟性が、予防や、痛みの緩和にも大事ということなんですね。ぜひ知りたいですね。注意点はありますか。

永井: 無理をしないようにしてください。痛みが起きるようならば、即、中止してください。

腰の柔軟性チェック

――では、その柔軟性チェック、教えてください。

永井: ◆ まず、立ち上がります。
◆ 肩幅より少し広めに、足を開いていただきます。
◆ その場で、上半身をゆっくりと前に倒します。いわゆる「前屈位」という状態です。
◆ 最初、大変だという場合は、ひざを軽く曲げるようにすると前屈がしやすくなります。
◆ ひざを伸ばしたまま、地面に手のひらがつけば、柔軟性には問題がありません。地面に手のひらがつかなければ、柔軟性が足りないということになります。

――では、私もやってみたいと思います。
肩幅よりも広く足を開く。で、ゆっくり、上半身を前に倒して前屈をすればいいんですね。ゆっくり、体を前に倒していきますね。……これ、地面に手のひらがつかなければいけないんですか? 私、全然つかなくて、地面まであと……20㎝ほど離れてるんですけど、かなり硬いですよね?

永井: 大丈夫です。

腰の柔軟性を高めるストレッチ

――そうすると、腰の柔軟性チェックで硬いことが分かったら、ストレッチをすればいいですか。

永井: はい。これから、柔軟性を高めるストレッチを紹介いたします。ポイントは、ゆっくりと伸ばすことです。痛みが起きたら、即、中止するようにしてください。

――では、「腰の柔軟性を高めるストレッチ」、ご紹介ください。

永井: いすに座って行うストレッチです。

◆ まずは、しっかりといすに座ります。

――いすに深く座ればいいですね。

永井: ◆ 次に、両手を腰に当てていただきます。そのまま、上半身を、まずはゆっくりと右側に傾けるようにしてください。
◆ そのままの位置でキープします。左の脇腹が伸びているのが感じられると思います。無理に倒す必要はありません。脇腹が伸びている範囲で行うようにしましょう。
◆ ゆっくりと元に戻します。
◆ 同じように、上半身を左に傾けていきます。右の脇腹が伸びているのを意識して行います。これは、脇腹の「腹横筋(ふくおうきん)」のストレッチです。
◆ ゆっくりと、まっすぐな姿勢に戻ります。

――これは何秒ぐらいすればいいですか。

永井: そうですね、10秒ぐらいキープしたあとに、元の姿勢に戻るといいと思います。

体をひねるストレッチ

永井: 次は「体をひねるストレッチ」です。

◆ 手を楽にしていただいて、次は、手を“ガッツポーズ”のように上げていただきます。

――はい、ガッツポーズ。

永井: ◆ そのまま、右ひじを左ひざの方向に近づけるように、体をねじってください。

――ねじりながら前かがみになるような形ですね。

永井: そうですね。

◆ ひじとひざがつかない人は、無理をしないでください。

――右ひじが、左ひざですね。

永井: ◆ そのまま、ゆっくりと正面を向いていただきます。
◆ 同じように、反対側もやっていきましょう。左ひじを、右ひざにつけていきます。お腹の横を走る「腹横筋」に加えて、おなかの斜めを走っている「腹斜筋(ふくしゃきん)」も鍛えることができます。

――左ひじを右ひざに持っていって、今度、元に戻すと。またガッツポーズのような形に戻っています。

永井: 元に戻っていただいて、楽な姿勢になります。

――これはどれくらい行うといいんですか。

永井: 1つのストレッチを2~3回ずつ、1日に3セットぐらい行っていただくといいでしょう。2週間ほど継続すると、柔軟性がアップするのが実感できると思います。

――では、最後にきょうのポイントをお願いします。

永井: 腰の柔軟性が、腰痛予防と痛みの緩和に重要。チェックとストレッチを継続しよう。

【放送】
2023/04/12 マイあさ! 「健康ライフ」 永井多賀子さん(日本大学病院 准教授)

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