【出演者】
室伏：室伏利久さん(帝京大学 客員教授)
聞き手：星川幸 キャスター
大きく分けて３タイプ めまいの感じ方
――室伏さん、「めまい」といいますと、例えば俳優さんがめまいのために舞台を降板したとか、そういった話も聞きますし、生活への影響が大きいですよね。めまいといっても、人によってイメージや感じ方が違うと思いますが、めまいにも種類があるんですか。
| 室伏： | はい。めまいの感じ方は人それぞれですけれども、大きく分けて３つのタイプがあります。 いちばん多いのは「ぐるぐる」回るめまい。「回転性めまい」といいますけれども、自分や周りが激しく回転しているように感じます。 次に「ふわふわ」するめまい。体がふわふわと浮かんでいるような、またはふらふらと揺れているような、そういう感じがするめまいです。 ３つ目が「クラっ」とする、少し気が遠くなるような感じのめまいですね。「立ちくらみ」といわれる症状もこの中に入ります。 |
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――ぐるぐる回るめまい、ふわふわするめまい、そして、クラっとするめまい、と確かにいろいろですね。
| 室伏： | そうですね。しかも、めまいにはさまざまな病気が隠れていることがあります。めまいの原因や症状を知っておくことが大切です。 |
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めまいの原因
――そもそも、めまいはなぜ起こるんですか。
| 室伏： | わたしたちの体の中には、体の平衡、つまり、バランスを保つための仕組みがあります。その仕組みに異常が起こり、バランスが崩れると、めまいが起こります。このバランスの機能をつかさどっているのが、主に耳と脳です。めまいの原因となる病気の多くは耳の病気で、次に多いのが脳の病気です。 耳は、音を聞き取るところであることは皆さんよくご存じだと思いますけれども、実は、その耳の中に、体のバランスを保つための仕組みを持っている「内耳」という場所があります。耳の異常があると、体のバランスを保つ働きが乱れます。その結果として、回転していないのに回転しているといった錯覚が生じて、これを〝めまい〟として感じることになります。 |
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――めまいのタイプ……ぐるぐる、ふわふわ、そして、クラっと、これはそれぞれ、どこに原因があるんですか。
| 室伏： | まず、ぐるぐる回転するめまいですけれども、耳の奥にある内耳の病気によって起こることが最も多いです。まれに「脳卒中」など、脳の病気で起こることもあります。 |
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――２つ目の、ふわふわするめまいはどうでしょうか。
| 室伏： | これは、体や心のさまざまな不調が原因として考えられます。過労、睡眠不足、ストレス、不安、うつなど、こういったものが関係することが考えられます。回転するめまいほど症状がはっきりしなくて、原因もなかなか特定しづらいことが多いです。まれに脳卒中などの、脳の病気によって起こることもあります。内耳の病気で、このタイプのめまいが起こることもあります。 |
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――３つ目の、クラっとするめまいはどうでしょうか。
| 室伏： | 先ほど申し上げましたけれども、いわゆる「立ちくらみ」がほとんどですね。急に立ち上がったときなどに血圧が変化して、それで脳の血流が追いつかなくて、一時的に血流が不足してクラっとするようなことが起こるのが多いです。また、高血圧で薬をのんでいる方が、薬で血圧が下がり過ぎてクラっとするようなこともあります。 |
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――めまいは突然起こりますよね。驚いて、どう対処していいか分からなくなりそうです。
| 室伏： | もちろん、めまいを感じたご本人はびっくりしてしまうと思うんですけれども、多くの場合、命に関わることはありません。ただ、初めてめまいがした場合は、やはり早めに受診をしていただいたほうがいいと思います。また、めまい発作を繰り返す場合も、一度受診していただいたほうがいいと思います。 めまいは、さまざまな病気で起こる可能性があります。例えば、耳が原因のものとして、めまいのほかに聞こえが悪くなる症状が一緒に起こる「メニエール病」、頭を動かしたときにめまいが起こる「良性発作性頭位めまい症」、あるいは、脳の病気としては「脳梗塞」などでめまいが起こるようなこともあります。 |
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――何科を受診すればいいでしょうか。
| 室伏： | 耳鼻咽喉科、あるいは「めまい外来」という専門外来のある病院を受診するのがよろしいと思います。 |
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――では、最後にきょうのポイントをお願いします。
| 室伏： | 初めてのめまい、繰り返すめまいの場合は、耳鼻咽喉科、または、めまい外来を設けている病院を受診してください。 |
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【放送】
2023/03/13 マイあさ！ 「健康ライフ」 室伏利久さん(帝京大学 客員教授)
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