直で公正な政治を」
石破氏 総裁選立候補表明

来月の自民党総裁選挙に向けて、石破元幹事長は10日、国会内で記者会見し、「正直で公正、そして、謙虚で丁寧な政治を作りたい」と述べ、立候補を正式に表明しました。

この中で、石破元幹事長は「9月の自民党総裁選挙に立候補する決意をした。私は使命感や責任感を持っており、全身全霊で臨みたい」と述べ、総裁選挙への立候補を正式に表明しました。

そのうえで、森友学園や加計学園をめぐる一連の問題などを念頭に、「正直で公正、そして、謙虚で丁寧な政治をつくりたい。国民が、いろんな事象に『本当なんだろうか』という思いを持っているのは事実で、国民に『今の政権は公正だね』、『正直だね』という思いを持ってもらわなければ、政治は役割を果たすことができない」と述べました。

そして、政治と行政の信頼を回復させるため「100日プラン」を作成し年内に実行する方針を示しました。

また、「実質的に総理大臣を選ぶ選挙でもあるので、徹底的に議論し、党員のみならず、国民にも誰がどのような主張をしているのかを理解してもらいたい」と述べ、政策や政権運営などをめぐって活発に議論したいという考えを示しました。

一方、石破氏は、憲法改正も総裁選挙の論点になるとしたうえで、「自衛隊の明記」よりも、参議院選挙の合区の解消や、大規模災害などに対応するための「緊急事態条項」の新設に優先的に取り組むべきだという考えを示しました。

このほか、災害対応や防災対策に一元的にあたる「防災省」の創設が必要だという認識も示しました。

石破氏は、衆議院鳥取1区選出の当選11回で、61歳。これまでに、防衛大臣や農林水産大臣、それに、党の幹事長や政務調査会長などを歴任しています。

今回の総裁選挙で、立候補を正式に表明するのは石破氏が初めてですが、安倍総理大臣が3選に強い意欲を示していて、6年ぶりの選挙戦となる見通しです。

石破茂氏の横顔

石破茂氏は、衆議院鳥取1区選出の当選11回で、61歳。

自民党内では、3年前にみずから創設した石破派を率いています。

鳥取県知事や自治大臣を務めた元参議院議員の石破二朗氏の長男で、銀行員や旧田中派の事務局職員を経て、昭和61年の衆議院選挙で、当時、全国最年少となる29歳で初当選しました。

平成5年に、政治改革法案の取り扱いをめぐって、野党が提出した宮沢内閣に対する不信任決議案に賛成し、自民党を離れ、その後、新生党、新進党を経て、平成9年に自民党に復党しました。

平成14年、第1次小泉改造内閣で、防衛庁長官として初入閣し、有事法制の整備やイラクへの自衛隊派遣に取り組んだほか、福田内閣でも防衛大臣を務め、安全保障政策の論客として知られています。

また、農林水産大臣や、自民党の政務調査会長なども歴任しています。

総裁選挙には、10年前に初めて挑みましたが、立候補した5人のうち最下位で、勝利した麻生副総理兼財務大臣に大差で敗れました。

2回目に立候補した6年前の総裁選挙では、1回目の投票で1位となったものの過半数に届かず、国会議員だけの決選投票で、安倍総理大臣に敗れました。

その後、幹事長や初代の地方創生担当大臣として、安倍政権を支えましたが、おととしの内閣改造で、安倍総理大臣から閣内にとどまるよう打診されたのを固辞して、閣外で「ポスト安倍」を目指した活動を進めてきました。