“男女共同参画基本計画に
選択的夫婦別姓明記を”公明

「選択的夫婦別姓」をめぐり、政府が、公明党の会合で「国会での議論の動向などを踏まえ、必要な対応を進める」などとする「男女共同参画基本計画」の案を示したのに対し、出席した議員からは、制度の導入を明記するよう求める意見が相次ぎました。

政府は、来年度からの5年間で実施する第5次の「男女共同参画基本計画」を年内に取りまとめることにしていて、1日、公明党の会合で案を示しました。

この中では、夫婦が希望すれば結婚前の姓を名乗れる「選択的夫婦別姓」について、「新しい令和の時代において、国民の多様な声を真摯(しんし)に受け止め、国会での議論の動向などを踏まえ、政府においても必要な対応を進める」としています。

これに対し、出席した議員からは、結婚したあとに別々の姓を選択できず、仕事に支障が出ている人たちがいるなどとして、新たな計画に制度を導入することを明記するよう求める意見が相次ぎました。

政府は、今後、自民党にも、この案を示すことにしており、与党の意見も踏まえ、計画を取りまとめることにしています。

公明 山口氏「選択的夫婦別姓を認めるべき」

公明党の山口代表は記者会見で「党としては選択的夫婦別姓を認めるべきだという姿勢で一貫している。一人っ子が増えるなどして、姓を保持したいというニーズが男女ともにあり、国民の理解も年々、広がっている。自民党も社会の変化などをもっと直視して、時代にあった判断をすべきだ」と述べました。

自民 世耕氏「個人的には賛成 合意形成が必要」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「個人的には戸籍を分けず、家族を分断しないことを前提に、選択的夫婦別姓については賛成だ。ただ、党でしっかり合意をつくらなければならない問題であり、対立の溝は広いが、よくすり合わせて決着を図っていく必要がある」と述べました。

自民が特別委 当面は意見集約せず

「選択的夫婦別姓」について、自民党の女性活躍推進特別委員会で1日から検討が始まりました。

委員長を務める森前法務大臣は「社会で定着した名字を持って結婚したいという人も増えている一方、家族の絆は大切であり慎重に議論していきたい」とあいさつしました。

会合では、制度の導入に前向きな議員から「同姓になるのを避けたいとして結婚を踏みとどまるケースがある」という意見が出された一方、慎重な議員からは「夫婦別姓にした場合の子どもへの影響について懸念がある」などという意見が出されました。

特別委員会では、党内で意見が分かれていることから、当面は意見集約しない方針で、有識者からヒアリングを行うなどして、慎重に議論を進めていくことにしています。