民党総裁選
立候補表明の3氏 活発に

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙は、今月8日の告示を前に、立候補を表明している菅官房長官、岸田政務調査会長、石破元幹事長の3人がそれぞれ支持拡大を図り、動きが活発になっています。

菅官房長官

菅官房長官は、みずからを支持する5つの派閥の幹部らによる会合に出席し、「全身全霊で頑張りたい」と述べ、選挙戦への決意を示しました。

菅官房長官を支持する細田派、麻生派、竹下派、二階派、石原派の5つの派閥と菅氏に近い無派閥の議員でつくる陣営は、3日午前、それぞれの派閥の幹部ら10人余りが都内のホテルに集まり、選挙戦に向けた対応を協議しました。

この会合で、菅氏は、「安倍政権を継承しながら、難局を乗り切るために、全身全霊でこの国のために頑張りたい」と述べ、選挙戦への決意を示しました。

また、会合では、近く選挙対策本部を立ち上げ、選挙戦で訴える政策の取りまとめや、党員などへの支持拡大に向けた準備を進めていくことを確認しました。

会合のあと、選挙対策本部の事務総長に就任する竹下派の山口組織運動本部長は、記者団に対し、「菅氏は信念があり実直だ。重厚さもあり、期待できる人物だと思う。支援体制を調整していきたい」と述べました。

二階幹事長は、「『政治は1人の力ではできない』ということばがあるが、まさにそのとおりだ。どんな立派な総裁が選ばれても、総裁1人ではどうにもならない。われわれはしっかりと支えていく気持ちで頑張っていきたい」と述べました。

石原元幹事長は、「内政や外交の継続性の観点から、菅官房長官を派閥として支持をしていくことを決めた。派閥が新しいリーダーを決めるのではなく、広く政策論争の中で次のリーダーが選ばれていくよう、しっかりと論戦の行方を見守っていくことが大切だ」と述べました。

菅官房長官は午前の記者会見で、みずからを支持する陣営の会合に出席した際の発言について、「きのう立候補を表明したので、ご支援をお願いした」と述べました。

そして、記者団から、自民党総裁選挙の争点などを問われたのに対し、「政府の記者会見なので、総裁選挙についてのコメントは差し控えたい」と述べました。

岸田政調会長

岸田政務調査会長は3日、みずからが訴える政策を発表し、「分断から協調へ」をスローガンに、中間所得層に配慮した経済政策や、デジタル技術を生かして地方の利便性を向上させる構想などを打ち出しました。

自民党の岸田政務調査会長は、3日午前、東京都内で記者会見し、総裁選挙で訴える政策を発表しました。

この中で岸田氏は、「新型コロナウイルスとの戦いで、大きな課題が見えてきた。国内では格差、国際社会では分断の問題だ」と述べ、「分断から協調へ」とするスローガンを強調しました。

そのうえで、中間所得層に配慮した経済政策を進めるとして最低賃金の引き上げに加え、教育費や住宅費の負担軽減策に取り組むほか、デジタル技術を活用して地方の利便性を向上させる「デジタル田園都市国家構想」を打ち出しました。

さらに、外務大臣の経験を生かし、日本の科学技術や文化・芸術を生かした「ソフトパワー外交」を進めるとしています。

一方、憲法改正については、「国民の理解を深めつつ、国民とともに目指す」としています。

岸田氏は、「国民の協力なくして結果を出すことはできず、協力を引き出せるリーダーになりたい。こうした思いを伝えることで雰囲気を変え、選挙戦の状況を打開したい」と述べました。

石破元幹事長

石破元幹事長は、3日の午前中、国会内にある歯科医院を訪れ、およそ30分間、定期的な検診を受けました。

このあと、記者団が、「週に1回来て、どこか悪いところがないかみてもらっている。数少ない息抜きの場だ」と笑顔で話していました。

また、記者団が「日本の虫歯はどこにあるのか」と聞くと、石破氏は笑いながら、「定期的にきちんとみていかないとあとで大変なことになるということだ」と話しました。

石破氏は、3日の午後、2日に続いて党所属議員の事務所を回って支持を呼びかけるとともに、都内のホテルに選挙対策本部を発足させ、今後の戦略を検討することにしています。