盆休みの帰省 自粛や
慎重な検討呼びかけ相次ぐ

新型コロナウイルスの感染が広がる中、お盆休みの帰省について、自粛や慎重な検討を呼びかける自治体が相次いでいます。

愛知 大村知事 独自の緊急事態宣言で帰省などの自粛要請へ

5日の記者会見で、愛知県の大村知事は「県内の新たな感染者が9日連続で100人を超え、危機的状況だ」と述べ、6日、県の対策本部の会議を開き、県独自の緊急事態宣言を出す考えを表明しました。

宣言の期間は6日から今月24日まで、区域は愛知県全域で、県民に対してお盆休みの期間中は不要不急の行動を自粛することや、5~6人以上の大人数での会食や宴会を自粛することなどを求めています。

また、県をまたぐ不要不急の移動の自粛も求め、具体的には、お盆休みの期間中の帰省について、もう一度、家族と検討することや、体調がすぐれない場合は、帰省や旅行を控えること、帰省や旅行先でも、体調管理と感染防止対策を徹底することなどを呼びかけています。

さらに、県が5日から行っている名古屋市中心部の一部の飲食店などへの営業時間の短縮や休業の要請は、地域や対象業種を拡大せずに続けますが、県内全域での休業要請は行わないとしています。このほか、県内の学校の休校も要請しないとしています。

大村知事は愛知県の状況について、これまでの「厳重警戒」から「危険」に引き上げたうえで「お盆は学校も会社も休みになるので、感染を封じ込めていく機会だ。その前後の期間も含めて行動の変容、自粛をお願いして抑え込んでいきたい」と述べました。

熊本 蒲島知事「本県に帰省するのを控えるよう伝えて」

熊本県は4日、5段階で評価する「リスクレベル」を最も高い「特別警報」に引き上げたうえで、蒲島知事が「これまでで最も危機的な状況で、家族や親戚、友人に対して本県に帰省するのを控えるよう伝えていただきたい」と呼びかけました。

福井 杉本知事「東京からの帰省を自粛を」

福井県では杉本知事が4日の会見で、「東京都からの帰省については自粛してほしい。人口当たりの感染者が多い地域との往来も慎重に判断してもらい、もし来た場合でも家族間で感染防止策を取ってもらいたい」と呼びかけました。

沖縄 玉城知事 県外からの帰省控えるよう呼びかけ

竹富町の西表島など離島でも感染者が出ていることを受けて、沖縄県は5日午後、新型コロナウイルスの対策本部を開きました。

このあと、玉城知事は記者会見を行い、県独自の緊急事態宣言に追加の対策を決めたと発表しました。

この中では不要不急の外出自粛を求める対象地域を沖縄本島だけでなく県内全域に拡大するとしています。

また、ことしのお盆の期間について、緊急事態宣言の期間中にあたることから、県外からの帰省は控えるよう呼びかけました。

さらに、感染者の集団=クラスターが発生した那覇市の松山地区に加え、宮古島市と石垣市の夜の街の接待を伴う飲食店に対し、7日から2週間、休業を要請するとしています。

すべての期間で休業するなど要件を満たした事業者に対しては協力金を支給するとしています。

茨城 大井川知事「東京Go To対象外れたのに帰省認めるのは整合性取れぬ」

茨城県は先月31日、都内や県内で新型コロナウイルスの感染者が増えているとして、県が独自に設けている対策の指針を「ステージ3」に引き上げ、県民に対し都内への不要不急の移動や滞在を自粛するよう求めています。

大井川知事は5日の会見で、改めて県民に都内への移動は自粛するよう求めるとともに、都内からの帰省についても自粛するよう呼びかけました。

大井川知事は「帰省の自粛を求めるのはかわいそうだという話もあるが、東京がGo Toトラベルの対象から外れているのに帰省を認めるのは整合性が取れない」と説明しています。

一方、都内以外の地域との県境をまたぐ移動の自粛は求めないということで、「感染対策をして新しい生活様式を守りながらこの時期を過ごしてほしい」と述べました。

西村経済再生相“知事の要請尊重 判断の参考に”

お盆の時期の帰省に関する分科会の提言を受けて、西村経済再生担当大臣は記者会見で、一律に帰省の自粛を求めない考えを重ねて示しました。

そのうえで「帰省すれば、高齢者と接して、飲食や飲酒の機会が多くなることも考えられる。基本的な感染防止策を徹底し、特に大人数の会食といった感染リスクの高い状況をひかえて、高齢者などへの感染につながらないよう注意をお願いしたい」と述べました。

一方で、各地の知事が、地域の感染状況に応じて帰省に関する要請を行っていることを尊重するとして、帰省するかどうか判断する際の参考にしてほしいと呼びかけました。

そして「箸の上げ下げまで言うつもりはない。お子さんやお孫さんと久しぶりに会うかたもいると思う。高齢者への感染リスクや重症化リスクも考えていただき、それぞれの判断で対応していただきたい」と述べました。

自治体と連携していきたい
西村経済再生担当大臣は記者会見で、新型コロナウイルスの全国の感染状況について、重症者が104人となり少しずつ増えてきているとしたうえで、入院患者も東京や大阪など、各地で増加傾向にあることや、60代以上の感染者が増えていることなどを説明しました。

そして「地域によっては、感染状況に応じて、ガイドラインを順守している飲食店を含めて、営業の自粛や短縮を要請するなど、都道府県知事の判断で対応して対策を強めているところで、自治体と連携していきたい」と述べました。