馬 豚コレラワクチン
接種推奨地域を検討」農相

群馬県で捕獲された野生のイノシシから豚コレラの陽性反応が出たことについて、江藤農林水産大臣は、現在行っている国の検査で豚コレラの感染が確定した場合、ワクチン接種の推奨地域に群馬県を加えることを検討する考えを示しました。

群馬県は藤岡市で捕獲された野生のイノシシの血液検査を3日行った結果、1頭から豚コレラの陽性反応が出たと発表しました。

群馬県は全国で4番目に多いおよそ63万頭のブタを飼育していて、感染が確定すれば群馬県では初めてとなります。

これについて、江藤農林水産大臣は4日の閣議のあとの記者会見で「昨夜報告を受けた際に食事をしていたが、食事がのどに詰まるような思いをした。現在、国の検査で遺伝子を解析中で夕方には結果が明らかになる予定だ」と述べました。

そのうえで「群馬県での感染が確定すれば、専門家にワクチン接種を行う『推奨地域』とすべきかどうか意見を聞きたい」と述べ、現在9つの県が対象となっているワクチン接種の推奨地域に群馬県を加えることを検討する考えを示しました。

高市総務相 「対策の自治体に財政支援」

高市総務大臣は、閣議のあとの記者会見で、地方自治体が豚コレラ対策を行う場合、国から地方自治体に交付する特別交付税によって財政的な支援を行う考えを明らかにし「国と地方が一体となって対策が進むよう適切に対応していく」と述べました。

菅官房長官「ワクチン接種準備の加速を」

豚コレラの感染拡大を受けて政府の関係閣僚会議が総理大臣官邸で開かれ、菅官房長官は、予防的なワクチン接種に向けて必要な準備を加速するとともに、アジア各国で発生している「アフリカ豚コレラ」については、国内への侵入を防ぐための水際対策などを徹底するよう指示しました。

この中で、菅官房長官は「豚コレラは中部地方を中心に感染が拡大し、埼玉県や長野県でも確認されるなど極めて重大な局面を迎えている」と述べたうえで、感染拡大の要因とみられる野生イノシシの捕獲などの対策強化に加え、飼育されているブタへの予防的なワクチン接種に向けて必要な準備を加速するよう指示しました。

また、感染力が極めて強く、アジア各国で発生しているアフリカ豚コレラについて、違法な畜産物の持ち込みに対する対応の厳格化など、国内への侵入を防ぐための水際対策を徹底するとともに、関係自治体とも連携し、農場を囲う柵の設置など衛生管理体制を強化するよう求めました。

そして、菅官房長官は「豚コレラとアフリカ豚コレラは、ブタ・イノシシの病気であり、人に感染するものではない」と述べたうえで、消費者が不安を覚えることがないよう関係省庁で連携し、積極的な情報発信を行うよう指示しました。