曜討論ダイジェスト
東日本大震災8年

NHKの「日曜討論」で、渡辺復興大臣は、東日本大震災から11日で8年になるのを前に、今後は被災者の心のケアに重点的に取り組むとともに、原発事故の影響が残る福島県から避難している人たちの帰還に向けた環境整備を図る考えを強調しました。

この中で渡辺復興大臣は、東日本大震災から11日で8年になるのを前に、被災地の現状について「インフラの整備はおおむね完成を迎えているが、いわゆる『心の復興』はこれから始まる。関連団体の力も借りながら、しっかりと国としても後押ししていきたい」と述べ、今後は被災者の心のケアに重点的に取り組んでいく考えを強調しました。また、政府が復興の総仕上げと位置づける「復興・創生期間」が再来年3月末で終了するのと同時に設置期限を迎える復興庁について「あと2年あるので、それまでは全力で復興の加速化を進めてもらいたい。その後は、復興の基本方針に組織の存続を明記したので、具体的な内容は自治体と相談して決めていきたい」と述べました。

一方、渡辺大臣は、原発事故の影響が残る福島県について、避難している人たちの帰還に向けた環境整備を図るとともに、浪江町で建設が進められている水素の製造工場を世界有数の水素の供給基地に位置づけ産業の集積につなげたいという考えを示しました。

宮城 村井知事「2021年以降も財政支援継続を」

宮城県の村井知事は、東日本大震災からの復興に向けた財源について「復興基金は2020年度末で140億円くらいになり、毎年70億円ずつ切り崩しているので、国の支援が終わると2年間で資金はなくなる。国が重要な部分の予算を補ってくれれば、基金を残して、被災した人たちを長くサポートできる」と述べ、『復興・創生期間』が終わる2021年度以降も財政支援を継続するよう国に求めました。

岩手 達増知事「被災地物産品の情報が伝わっていない」

岩手県の達増知事は、東日本大震災からの復興に向けた今後の課題について「建設事業がピークを越え、そこに投じていた予算や人を観光や水産といった本来伸ばすべき産業に回せるようになってきた。外国人観光客を含めて、にぎわいを作ることで人口減少対策に臨みたい。一方で、水産業の販路の拡大には、東北の被災地の物産品の情報が国内にも海外にも伝わっていないのが課題だ」と述べました。

福島 内堀知事「震災関連死なくす対策継続」

福島県の内堀知事は、長引く避難生活で体調が悪化するなどして死亡する「震災関連死」が後を絶たないことについて「被災者の精神的な疲労を軽減する心のケア、生活習慣病などを予防する健康支援、避難者の孤立化を防ぐ見守り態勢の強化の3つを柱として継続的に取り組みたい」と述べました。また、復興庁の後継組織について「司令塔としての大臣を設置して、リーダーシップを発揮することができる態勢を確保することが大切だ」と述べ、国が前面に立って福島の復興に最後まで責任を果たすよう求めました。