縄県民投票 辺野古沖
「反対」多数で反応は

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画に伴う名護市辺野古沖の埋め立てへの賛否を問う県民投票で、「反対」の票が多数となり、条例で知事が結果を尊重し、総理大臣とアメリカの大統領に通知することになっている有権者の4分の1を超えました。結果について各方面の反応です。

安倍首相「理解得る努力重ねる」

安倍総理大臣は25日朝、総理大臣官邸で記者団に対し、「沖縄に基地が集中している現状は、到底容認できない。沖縄の基地負担軽減は政府の大きな責任だ。今回の結果を真摯に受け止め、これからも基地負担の軽減に向けて全力で取り組んでいく」と述べました。

そのうえで、「世界で最も危険な普天間基地が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない。日米合意から20年以上、普天間の返還が実現していない。もうこれ以上、先送りできない。これまでも長年にわたって県民の皆様と対話を重ねてきたが、これからも対話を進めていきたい」と述べました。

そして安倍総理大臣は沖縄の基地負担の軽減に努めてきたことを強調したうえで、「ただ単に、辺野古に新たな基地を作るのではなく、移設をするためということを理解していただきたい。また、防音設備が必要な住宅は今まで1万戸だったが、移設すればゼロになる。そうしたことの理解もいただいて進めたい」と述べ、移設計画を進めるため県民の理解を得る努力を重ねていく考えを示しました。

岩屋防衛相「普天間返還も強い民意と思っている」

岩屋防衛大臣は、国会内で記者団に対し「県民投票の結果は一つの沖縄の民意だと思うが、『普天間基地を返還してもらいたい』ということも、強い民意だと思っていて、その気持ちにはぜひ応えたい。丁寧に誠心誠意説明しながら、工事は進めさせていただきたい」と述べました。

そのうえで「南西地域をめぐる安全保障環境はますます厳しくなっていて、自衛隊の努力と沖縄のアメリカ軍の抑止力で守っていかなければいけない。『沖縄を守ることは日本を守ることだ』と思っており、抑止力を維持しながら沖縄の負担軽減を図っていく」と述べました。

防衛省幹部「反対が想定よりも多かったが、国の専権事項」

防衛省幹部はNHKの取材に対し、「反対が40万票を超えるとは、想定よりも多かった。しかし、安全保障政策は国の専権事項だと言うしかない」と述べました。

また、別の防衛省の幹部は「一定の沖縄の民意として受け止める。しかし、われわれとしては、『普天間基地の返還を一日も早く実現してほしい』ということも20年来の沖縄の民意だと考えており、これまでどおり埋め立て工事を進めさせてもらうしかない」と話しています。

米国務省「移設計画進める」

今回の県民投票の結果について、アメリカ国務省の広報担当者は24日、NHKの取材に対し、「アメリカと日本はアメリカ軍普天間基地の継続使用を回避する唯一の解決策として、辺野古地区と、隣接する海域に普天間の代替施設を建設する計画を続ける」と述べ、これまでどおり日本政府と連携して移設計画を進める考えを強調しました。

自民 岸田氏「普天間基地固定化の回避を」

自民党の岸田政務調査会長は「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止めたうえで、今後とも、沖縄の基地負担軽減と振興や、世界で最も危険と言われる普天間基地の固定化の回避を両立しつつ、国民の生命と領土などを守る体制の構築を図っていく決意だ。沖縄県や県民の理解と協力が得られるよう最善を尽くしていきたい」とするコメントを出しました。

立民 福山氏「直ちに工事の中断を」

立憲民主党の福山幹事長は「去年の知事選挙に続き、沖縄県民は辺野古への基地移設に反対の意思を改めて明確に示した。政府は結果を極めて重く受け止めなければならない。『県民に寄り添う』などのことばとは裏腹に、累次にわたって示されている県民の民意を全く無視する基地建設の強行は、民主主義の何たるかに目を向けようともしない安倍政権の体質を如実に現していて、断じて許しがたい。直ちに辺野古での基地建設工事を中断するべきだ」という談話を発表しました。

国民 大塚氏「軽視なら民主主義に対する姿勢の問題」

国民民主党の大塚代表代行は「沖縄では、過去2回の知事選挙で基地建設に反対する候補が当選しており、そのうえで、今回の結果を軽視するようであれば、政府の対応は、基地建設問題を超えて民主主義そのものに対する姿勢の問題となる。政府には、重ねて、今回の結果を真摯に受け止め、埋め立て工事を直ちに中止することを求める」という談話を発表しました。

共産 志位氏「沖縄県民の歴史的勝利」

共産党の志位委員長は「県民投票の結果は、辺野古埋め立て反対の明確な民意を示すものとなった。沖縄県民の歴史的な勝利であり、安倍政権に対し、県民の民意を重く受け止め、『辺野古新基地建設』のための埋め立てを直ちに中止することを強く求める」という談話を発表しました。

自由 小沢氏「民意無視なら打倒すべく全力で闘う」

自由党の小沢代表は「今回の県民投票で沖縄の民意は明らかとなった。政府は当然、尊重しなければならない。沖縄県民と国民をないがしろにする政治は、絶対、許されるべきではなく、安倍政権が民意を無視し、背くというなら、打倒すべく全力で闘っていく」という談話を発表しました。

希望 松沢氏「現実的代案無しは知事として無責任」

希望の党の松沢代表は「総理大臣とアメリカの大統領に結果を通知することになるが法律的に何の意味もない。住民投票を強行したことは普天間基地の危険性を除去する長年の取り組みを阻害し、対立と混迷が深まるだけだ。沖縄県の玉城知事は、辺野古移設に代わる現実的な代案を示しておらず、知事として、無責任であると言わざるをえない」というコメントを発表しました。

社民 吉川氏「もう言い逃れは通じない」

社民党の吉川幹事長は「移設の賛否だけを直接問う県民投票で、沖縄県民が辺野古移設に反対する明確な意思を示したことは極めて重く、もう、言い逃れは通じない。『辺野古新基地建設』を強行してきた日米両政府は、県民の意思を尊重し、『新基地建設』の強行を直ちにやめ、移設計画を断念すべきだ」という談話を発表しました。