京都議会混乱 未明に
小池知事が施政方針表明

20日に開会した東京都議会は、議会運営をめぐって会派間の意見が対立し、小池知事の施政方針の表明が予定よりおよそ11時間遅れた21日未明に行われる異例の事態となりました。

東京都議会は、20日午後1時からの本会議で小池知事が施政方針を表明する予定でしたが、議会運営をめぐって会派間の意見が対立したため、施政方針の表明が当初の予定よりおよそ11時間遅れた21日午前0時半ごろから行われる異例の事態となりました。

今回の混乱は、都が先月、まとめた旧築地市場の再開発方針の素案に小池知事の当初の方針が盛り込まれなかったため、自民党や共産党などがそのいきさつについて知事に一問一答で質問できる場を設けるよう求めたことがきっかけで、その後、議会の運営方法をめぐる会派間の意見の対立もあって、先週から混乱が続いていました。

各会派は、調整の結果、議案を詳しく審議する定例会の常任委員会で、小池知事に対して一問一答で質問する場を設ける方向で合意し、混乱はひとまず収束したということです。

しかし、今回の混乱について都議会の中からは小池知事を支持する最大会派、都民ファーストの会の議会の運営能力を厳しく問う声もあがっており、今後に課題を残しました。

小池知事「国会でも遅いときあった」

東京都の小池知事は、本会議が終了した21日午前2時ごろ、記者団の取材に応じ、みずからの施政方針の表明が未明までずれこんだことについて、「国会でも遅いときはあったので」と述べました。

そのうえで、各会派が、都議会の定例会の常任委員会で、小池知事に対して一問一答で質問する場を設ける方向で合意したことについては、「議会で決めることだが、築地の問題などをしっかり審議できる機会をいただけたと思っている」と述べました。

都議会主要会派の談話

都議会の本会議の終了後、主要な会派の幹部が記者団の取材に応じました。

このうち、小池知事を支持する、最大会派の都民ファーストの会の小山有彦政務調査会長は、「各会派の理解と協力を得て、全会派の議員が一致して本会議を終えられたことは本当にありがたい。それぞれの会派の考えを1つにまとめるには、どうしてもこれだけの時間を要してしまった」と述べました。

公明党の東村邦浩幹事長は、「今回、議長が動いて、折衷案を出してきたので突っぱねるわけにはいかず、飲むべき部分は飲まなければならないと思い、公明党としては受けた」と述べました。

自民党の吉原修幹事長は、「旧築地市場の跡地の再開発について知事の方針が変遷した真意は何なのか、確認することは責務だ。知事との一問一答の質疑を行うのは当たり前で、議会が空転したのは残念だ」と述べました。

共産党の大山とも子幹事長は、「旧築地市場の跡地の再開発については都民の関心も高く、知事に対して一問一答の場を設けることは議論を深めるためにとても重要だ」と述べました。