豊洲市場「全宣言」
小池都知事

東京 築地市場の豊洲への移転をめぐる問題で、専門家による会議が豊洲市場のオープンの前提となる追加の対策工事の安全性を確認したことを受けて、東京都の小池知事は31日夜、「安心、安全な市場として開場の条件を整えることができた」と述べ、豊洲市場の安全宣言を行いました。豊洲市場は10月のオープンに向けて大きく動き出すことになります。

東京 築地市場の移転先となる豊洲市場では、建物の地下に本来、行うはずだった盛り土の工事が行われていなかったことが明らかになり、都が追加の安全対策工事を行ってきました。

都が設置した専門家会議が、30日、今回の工事について「将来リスクを踏まえた安全性が確保された」とする検証結果をまとめたことを受けて、都は31日夜、関係部局の幹部会議を開きました。

この中で、小池知事は「豊洲市場は産地、出荷者、市場関係者、さらに消費者の皆さんに安心して利用していただける安心・安全な市場として、開場の条件を整えることができた」と述べ、豊洲市場の安全宣言を行いました。

市場の移転をめぐっては、築地市場の業界団体が、豊洲市場の地下の土壌汚染問題などによる風評被害が深刻だとして、小池知事に対して「安全宣言」を出すよう求めていました。

都は近く農林水産大臣に対し、市場移転の認可を申請することにしていて、豊洲市場はことし10月11日のオープンに向けて大きく動き出すことになります。

「移転準備の加速に期待」

小池知事は、会議の終了後、記者団に対して、「豊洲市場が安全であり、利用者に市場として使用いただける状況になったことは、すなわち、安全宣言と言っていいと思う」と述べました。

また、小池知事は、会議に先立って築地市場の業界団体に安全宣言を伝えたことを明らかにしたうえで、「移転までたった2か月だが、これで市場関係者も移転準備にさらに腰が入るのではないかと期待している」と述べました。

築地市場の業界団体幹部は歓迎

小池知事が豊洲市場の安全宣言を行ったことについて、安全宣言を求めてきた築地市場の業界団体の幹部からは歓迎する声が聞かれました。

このうち、築地市場のすべての業界団体で作る築地市場協会の伊藤裕康会長は「きょうようやく安全宣言の約束を果たしていただき、満足している。われわれも安心して、新市場の開場に向けた準備をやっていきたい」と話していました。

また、水産仲卸業者で作る東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長は「われわれが求めていた7月中の安全宣言をしてもらったことで評価しているし、内容も生産者から消費者まで非常にわかりやすい宣言だ。これから前に進むうえで大きな原動力になったと思う」と話していました。