業者も安全性向上を」
石田総務相 中国製品念頭に

政府が通信機器を調達する際、中国製品を念頭に、安全保障上のリスクも考慮して評価する方針を決めたことについて、石田総務大臣は、通信各社にも安全性への配慮を期待する考えを明らかにしました。

政府は、各省庁が通信機器を調達する際、「ファーウェイ」や「ZTE」といった中国製品を念頭に、悪意のある機能が組み込まれていないかなど、安全保障上のリスクも考慮して総合的に評価することを申し合わせました。

これについて、石田総務大臣は閣議のあとの記者会見で、「申し合わせは政府の調達を対象にしたものではあるが、情報通信ネットワークの安全、信頼性を確保することは重要だ。通信事業者もサイバーセキュリティの向上に積極的に取り組むことを期待したい」と述べました。

これは、政府の調達と同じように特定の企業の排除は求めないものの、通信会社にも中国製品を念頭に安全性への配慮を期待した発言です。

携帯各社 “中国製”への対応検討

中国製の通信機器の調達について、通信大手3社は今後の対応を検討しています。

中国製の通信ネットワークをめぐっては、現在の4Gでソフトバンクが一部でファーウェイ製の基地局を採用していて、NTTドコモとKDDIは使用していないとしています。

「ファーウェイ」や「ZTE」といった中国製品を今後、採用するかについて、NTTドコモは「政府の方針を見ながら適切に対応していく」としているほか、ソフトバンクは「次世代の通信規格・5Gを商用化する段階では政府の方針に準拠する方向で検討していく」としています。

また、KDDIは「対応は決まっていない」としています。

一方、来年10月に新たに携帯電話事業に参入する楽天は、中国製の通信機器を使う予定は今のところはないとしています。

中国外務省 報道官「みずからを害し利益にならない」

石田総務大臣が通信各社にも安全性への配慮を期待する考えを明らかにしたことに関連し、中国外務省の陸慷報道官は11日の記者会見で、「でっち上げの話や政治的な目的によって投資や協力に障害を設けることは、結局は、みずからを害し必ず利益とならない」と強調しました。

そして、「関係する政府や経済団体は、この問題において長期的な利益に目を向け、責任ある態度を取ることを望む」と述べ、中国企業を締め出さないよう改めて求めました。