衛艦の「空母化」は
「専守防衛の範囲内」説明へ

自衛隊最大の護衛艦を事実上「空母化」する方針に与党の了承が得られたため、政府は2つの護衛艦を改修し、最新鋭の戦闘機を8機ずつ搭載できるようにすることにしています。「専守防衛を逸脱する」といった批判には、戦闘機を常時搭載しないことなどを丁寧に説明し理解を得たい考えです。

新たな「防衛計画の大綱」の策定で焦点となっていた、自衛隊最大の護衛艦を事実上「空母化」する方針は11日に与党の作業チームで了承されました。

政府は、護衛艦「いずも」と、同じ型の「かが」を「空母」の役割も担う「多用途運用護衛艦」として改修し、短い滑走路でも離陸し、垂直に着陸できる最新鋭のステルス戦闘機F35Bを8機ずつ搭載できるようにすることにしています。

F35Bは、将来40機程度導入される予定で、緊急時や訓練の際など必要に応じて、「多用途運用護衛艦」に搭載する方針です。

こうした方針に、野党側からは「専守防衛を逸脱するのではないか」といった批判が出ています。

政府は、F35Bで構成する部隊は常時搭載しないなど、憲法上、保有できないとされている「攻撃型空母」とは異なり、専守防衛の範囲内だと丁寧に説明し、理解を得たい考えです。

一方、今後、退役が始まるF2戦闘機の後継について、政府は今後5年間の中期防衛力整備計画に、「国際協力を視野に、日本主導の開発に早期に着手する」と明記する方針です。