高速道路の有料化時期 最大50年延期へ 無料化実現は一段と厳しく

高速道路は今の制度では2065年までは有料で、その後無料化される予定ですが、政府はその時期を最大で50年延期することなどを盛り込んだ法律の改正案を、10日の閣議で決定しました。無料化の実現は一段と厳しくなります。

全国の高速道路は、建設費を賄うための借り入れを料金収入で返す仕組みです。

今の制度では2065年までは有料でその間に、借金を返済しその後は無料化するとしています。

しかし、高速道路を管理する「NEXCO」の各社などは、道路の老朽化が進み修繕や補強などの更新工事に、新たに1兆5000億円の費用が必要だと試算しています。

政府は、こうした工事に必要な財源を確保するため、関係する法律の改正案を10日の閣議で決定しました。

改正案では、高速道路の料金を徴収する期間を今の制度より50年、最大で2115年まで延長できることなどを盛り込みました。

高速道路を有料とする期間は2014年に15年間延長されて、2065年までとなりましたが、今回、さらに大幅に延長されることで無料化の実現は一段と厳しくなります。

記者会見で斉藤国土交通大臣は「現実にいま必要となっている、高速道路の更新事業の財源を確保しなければ対応できない。今回の法案が現時点で最も適したものだ」と述べ理解を求めました。