衆議院 小選挙区「10増10減」公職選挙法改正案 閣議決定

政府は10月21日の閣議で、いわゆる1票の格差を是正するため、衆議院の小選挙区を「10増10減」するなど、過去最多となる140選挙区の区割りの変更を盛り込んだ公職選挙法の改正案を決定しました。

改正案はことし6月に政府の審議会が勧告した区割りの改定案を盛り込んだもので、小選挙区を、東京や神奈川など5つの都と県で合わせて10増やす一方、宮城や新潟、広島など10の県で1つずつ、合わせて10減らすとしています。

また、10の道府県では、小選挙区の数は今のままですが、線引きが変更され、合わせて25の都道府県で過去最多となる140選挙区の区割りが変わります。

この区割り案を、おととしの国勢調査をもとに試算すると、いわゆる1票の格差は1.999倍となり、現在の最大2.096倍から改善されます。

このほか改正案では比例代表の定数を、東京ブロックで2、南関東ブロックで1増やす一方、東北・北陸信越・中国の3つのブロックでは、1ずつ減らすことも盛り込んでいます。

政府は、今の国会で法案の成立を目指すことにしていて、成立すれば、新たな区割りは公布の日の1か月後に施行され、次の総選挙から適用される見通しです。

区割り どう変わる?


公職選挙法の改正案で、小選挙区の数が変わるのは15の都県です。

増えるのは5つの都と県で、▽東京は5つ増えて30に、▽神奈川は2つ増えて20に、▽埼玉と愛知は1つ増えてそれぞれ16に、▽千葉も1つ増えて14になります。

一方、減るのは10の県で、いずれも1つ減ります。

▽広島は7から6
▽宮城と新潟は6から5
▽福島と岡山は5から4
▽滋賀、山口、愛媛、長崎は4から3
▽和歌山は3から2に減ります。

北海道や大阪、兵庫など10の道府県では、小選挙区の数は今のまま線引きが変更され、合わせて25の都道府県で140選挙区の区割りが変わることになります。

また、比例代表は、5つのブロックで3増3減となります。

▽東京ブロックが2増えて19に
▽南関東ブロックが1増えて23になります。

一方で
▽東北ブロックは1減って12に
▽北陸信越ブロックと中国ブロックも1減ってそれぞれ10になります。

公明 石井幹事長「この国会で確実に成立を」

公明党の石井幹事長は、記者会見で「野党も法案の中身について異論は少ないと思うので、この国会で確実に成立を期したい。法案が成立すれば、自民党と協議しながら小選挙区の数が増える地域で積極的な擁立を目指したい」と述べました。

「10増10減」 24日に区割り改定案で参考人質疑 衆院特別委員会

衆議院の小選挙区を「10増10減」するための法案の審議を前に、衆議院の特別委員会は、来週24日に、区割りの改定案をまとめた政府の審議会の会長の出席を求めて、質疑を行うことになりました。

21日、閣議決定された公職選挙法の改正案は、ことし6月に政府の審議会が勧告した区割りの改定案を盛り込んだもので、いわゆる1票の格差を是正するため、衆議院の小選挙区を「10増10減」するなど、過去最多となる140選挙区の区割りを変更するとしています。

この法案の審議を行う衆議院の特別委員会は21日、理事懇談会を開き、与野党の理事が審議日程を協議しました。

そして「法案審議の前にまずは、区割り改定の詳細について説明を受ける必要がある」として、来週24日、政府の審議会の会長を務める帝京大学の川人貞史教授の出席を求めて、質疑を行うことを決めました。

特別委員会は、この参考人質疑のあと、法案の審議入りの時期について改めて協議することにしています。