長崎県議会・市町議会 バリアフリーに対応は半数

長崎県議会と長崎県内の市や町の議会あわせて22のうち、議場や議員控え室でバリアフリーに対応しているのは半数の11の議会にとどまっていることがNHKのアンケート調査で分かりました。
専門家は「多様性のある議会を作るうえでも制度の整備は急務だ」と指摘しています。

NHKは、長崎県議会と、長崎県内の市や町にある22の議会事務局に議会におけるバリアフリーの現状などについてアンケート調査を行いました。

その結果、議場や議員の控え室などでバリアフリーに対応していると回答したのは全体の半数の11の議会にとどまりました。

バリアフリーに対応していない市や町の議会に理由を尋ねたところ「障害のある議員がおらず必要性を感じなかった」や「改修費用がかかる」などと回答しています。

地方議会のバリアフリー化をめぐっては、早稲田大学がおととし、全国の地方議会を対象に行った調査では、バリアフリーに対応する議会は、全体の35%にとどまっていました。

地方議会の現状に詳しい大正大学の江藤俊昭教授は「サポートする環境や制度がなければ、障害者が議員になろうとは思わない。多様性のある議会にするため、ハード、ソフト両面での整備は急務だ」と話しています。

参議院本会議場には2021年にスロープ設置

2021年3月26日の参議院本会議では、車いすを利用している2人の議員が、議場に新たに設けられたスロープで演壇に上り、記名投票を行いました。

車いすで記名投票を行ったのは、立憲民主党の横澤高徳議員と、れいわ新選組の舩後靖彦議員です。

2人は、議場に新たに設けられたスロープを通って演壇に着くと順番に投票し、舩後議員が介助者に支えてもらいながら、みずからの手で票を投じると、場内から大きな拍手が起きました。

横澤議員らは、階段の上り下りができないため、演壇上で木札の票を投じる記名投票では、これまで参議院の職員に札を託して投票を行ってきました。

スロープは国会のバリアフリー化を進めようと、2021年1月に設置されたもので、これが初めての活用となりました。

横澤議員らは「自分の思いを直接投票できることは、とても感慨深いものがある。今後も国会を含め、障害の有無を問わず、誰もが活動できる社会に向けて取り組んでいきたい」などとコメントを寄せていました。