東日本大震災 復興を紹介
『3月11日を忘れない』

東日本大震災の発生から11年。
『3月11日を忘れない』をテーマに、宮城県名取市の閖上地区のまちの移り変わりを記録し続けた写真や、被災した人たちの体験談などを紹介するイベントが、3月9日から仙台市で始まりました。

イベントは、震災の風化を防ぎ復興の歩みを発信しようと、毎年3月11日前後に仙台市青葉区のせんだいメディアテークが開いています。

このうち『日和山月報』と題された写真の展示は、震災当時、この施設の副館長を務めていた佐藤泰美さん(69)が、名取市閖上地区にある日和山から11年間記録し続けた写真、およそ1200枚がスライドショーなどで紹介されています。

初めて撮影した2011年5月の写真では、津波の恐ろしさが分かるほか、定点撮影することで、建物の解体が進んだり、船や人が再び海に集ったりと、復興の歩みも伝わってきます。

また、被災したおよそ70人の体験談を音声やパネルで紹介したブースでは、「自宅は流されて無くなった。想像を絶する光景で、逆に現実感がない」などと、直後の心境がつづられています。

みずからも被災したという仙台市内の70代の女性は、「展示を見ていると涙が出てきそうになります。震災を知らない人が今後、増えてくるので、こうした催しをぜひ続けてほしいです」と話していました。

主催する、せんだいメディアテークの水谷仁美さんは、「展示を通じて、11年間、震災に向き合っている方などの思いを感じ取っていただければ」と話していました。

イベントは4月24日まで行われ、入場は無料です。