地域の老舗商店に
後継者現れ存続へ 美郷町

宮崎県美郷町でおよそ100年にわたって地域の生活を支えてきた商店があります。
長らく後継者のメドがたっていませんでしたが、店を継ぎたいという男性が現れ、存続の見通しが立ちました。

美郷町で、大正時代から、商いを続ける「やまだ商店」は食料品や日用品などを幅広く取りそろえ、過疎化が進む地域の生活を支えてきました。

この店を48年にわたって営んできた山田恭一郎さん(70)は後継者がみつからず、およそ100年の歴史に幕を下ろすことも考えたといいます。

そのやさき、後継者不足に悩む店舗の支援を行う「県事業承継・引継ぎ支援センター」の紹介で、第2の人生を模索していた高千穂町の江並洋さん(56)が店を引き継ぐことが決まり、存続の見通しが立ちました。

江並さんは今後、美郷町に移住して、山田さんから経営の基礎を学び、地場産品を充実させた店作りを目指すということです。

山田さんは「地域の人が育ててくれた店を残していけることになりほっとしています。今後の店の発展を見守りたい」と話していました。

また、江並さんも「多くの人の支えを受けて事業を承継できました。歴史ある店を汚さぬようがんばっていきたい」と話していました。

町の商工会によりますと、町内には日用品などを販売する商店が20店舗近くありますが、多くは後継者のあてがなく、こうした取り組みが解決の一助として期待されています。