衆議院って何するところ?

シリーズ 詳しくわかる。
今回は、衆議院の役割をみてみます。

衆議院は、参議院とともに、国会を構成しています。


全国の小選挙区で選ばれる289人と、比例代表で選ばれる176人のあわせて465人が定員です。
前回、2017年の衆議院選挙からこの人数になり、戦後最も少なくなっています。

衆議院の役割として、まずあげられるのが、法律をつくることです。


政府か国会議員のいずれかが提出する法律案を審議し、原則、衆議院と参議院両方で可決された場合に法律が成立します。

国の予算の審議も行います。


国民の生活に役立つ予算案になっているかどうかを検討し、議決します。
このため、予算案を審議する予算委員会では、与野党が総理大臣や閣僚らに質問します。

また、国政全般を調査する権限も与えられていて、政府の説明を聞いたり、証人を呼んで証言させたりすることができます。


昭和51年に行われたロッキード事件に関係する証人喚問で、小佐野賢治・証人が「記憶にございません」と繰り返したことは当時関心を集めました。

このほか、政府が外国と結ぶ条約の承認、日本銀行の総裁など、中立性や独立性が求められる機関の人事の承認、ふさわしくない裁判官をやめさせるかどうかの決定も行っています。

次に、参議院との役割の違いを見てみます。

衆議院には、参議院よりも強い権限が与えられていて、「衆議院の優越」と呼ばれています。
例えば、内閣不信任の決議ができるのは衆議院だけです。

不信任決議案が可決された内閣は、総辞職か衆議院解散を迫られ、平成5年に可決された時、当時の宮沢総理大臣は解散に踏み切りました。

また、政府の予算案は衆議院が先に審議することになっています。

予算の議決や総理大臣の指名で、衆議院と参議院で議決が異なった場合は、衆議院の議決が、そのまま国会の議決となります。
衆議院は、解散があって任期も短く、参議院よりも国民の意思を反映しやすいためだと言われています。