危険な通学路を全国で点検へ
千葉の小学生死傷事故受けて

千葉県八街市で、小学生の列にトラックが突っ込み児童5人が死傷した事故を受け、国は危険な箇所を抽出し安全対策を講じるため、全国の通学路の点検を行うことを決めました。

先月28日、千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込んだ事故では、小学3年生と2年生の男子児童2人が死亡するなど児童5人が死傷しました。

この事故を受け、対応を検討している文部科学省と国土交通省、警察庁は、全国1万9000校余りの公立小学校の通学路を対象に点検を行うことを決めました。

全国の教育委員会などへの通知では、点検では、今回の事故を鑑みて見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など、車のスピードが上がりやすい場所、過去に事故に至らなくても危うい事例があった場所、保護者や地域住民から改善要望があった場所など、危険な箇所を抽出して取りまとめるよう求めています。

通知では、ことし9月中をめどに、点検の実施と危険な箇所の把握を進め、10月中をめどに市町村の教育委員会や学校が、PTAの協力や警察の助言を得て、対策案を作成するよう求めています。

地域の事情で困難な場合も、遅くとも年内までには実施して国に報告するとともに、可能なかぎり自治体のホームページなどで公表するよう求めています。

赤羽国交相「白ナンバー」トラックの飲酒運転対策強化へ

国土交通省によりますと、事故を起こしたトラックは、乗務前と後の点呼でアルコール検知器を使った検査が義務づけられている運送事業用の「緑ナンバー」ではない、自家用の「白ナンバー」でした。

また、勤務先の親会社によりますと、勤務先は飲酒運転などを防ぐ指導を行うよう法律で義務づけられている「安全運転管理者」を置いていなかったほか、乗務前のアルコール検知器を使った検査も行っていなったことがわかっています。

これを受けて赤羽国土交通大臣は、9日の記者会見で「飲酒運転はあってはいけないわけで、自家用トラックの飲酒運転の対策について取り組んでいきたい」と述べ「白ナンバー」を所管する警察庁と協議して対策を強化していく考えを示しました。

千葉県は、車両を持つすべての事業者に乗務前のアルコール検査を義務づけるよう、警察庁や国土交通省などに要望しています。

萩生田文科相「危険指摘されながら対策が途切れた所を深掘り」

萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「今までも、ここは危ないと指摘されながら何らかの理由で途中で対策が途切れてしまったところがたくさんあったと思う。今回の調査ではそこを深掘りし、関係省庁と連携しながら対応策を考えたい」と述べました。

棚橋国家公安委員長「実効性ある安全対策 速やかに実施」

棚橋国家公安委員長は、9日の記者会見で「これまでの点検で十分に把握できなかった危険箇所を抽出し、二度とこのような事故が起きることがないよう実効性のある交通安全対策を、できることから速やかに実施していきたい」と述べました。

警察庁は、
▽登下校の時間帯に重点を置いた取締りや、
▽速度制限を30キロに制限する「ゾーン30」の設置など、
安全対策を進めるほか、飲酒運転の摘発強化も検討していくとしています。

通学路の安全確保など「早急に対策まとめる」坂本一億総活躍相

千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み児童5人が死傷した事故を受けて、交通安全対策を担当する坂本一億総活躍担当大臣は、通学路の安全確保と飲酒運転の根絶を柱とする対策を、早急に取りまとめる考えを示しました。

先月28日、千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込んだ事故では、小学3年生と2年生の男子児童2人が死亡するなど児童5人が死傷しました。

交通安全対策を担当する坂本一億総活躍担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、先の関係閣僚会議で、菅総理大臣が、子どもの安全を守るために、万全の対策を講じるよう指示したことを受けて、通学路の安全確保と飲酒運転の根絶を柱とする対策を、早急に取りまとめる考えを示しました。

そのうえで「文部科学省や国土交通省など各省庁から、さまざまな課題が挙げられると思うので、具体的な対策を取りまとめたい。できるだけ早く、スピード感を持ってまとめたい」と述べました。

菅首相 八街でスクールバスの運行検討 児童5人死傷事故受け

千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故を受けて、菅総理大臣は、八街市長に対し危険な通学路でのスクールバスの運行について、支援策を検討する考えを伝えました。

先月28日、千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込んだ事故では、小学3年生と2年生の男子児童2人が死亡するなど、児童5人が死傷しました。

菅総理大臣は9日、総理大臣官邸で、八街市の北村市長と面会しました。

この中で、北村市長は、国や県に対し、市内のすべての小中学校でスクールバスを運行したり、通学路に警備員を配置したりするための支援などを求めていると説明しました。

これに対し、菅総理大臣は、危険な通学路でのスクールバスの運行について、支援策を検討する考えを示したということです。

北村市長は記者団に対し「八街市で大きな事故があったということで、菅総理大臣から、全国に先駆けて、スクールバスについて検討しようという話があった」と述べました。