重要な刑事事件の裁判資料
保存「刑事参考記録」拡大に

重要な刑事事件の裁判資料を保存する「刑事参考記録」について、法務省は必要な事件の記録が廃棄されているという指摘を踏まえ、検察審査会の議決によって強制的に起訴された事件など、保存する対象を広げることになりました。

「刑事参考記録」は、歴史的に重要な刑事事件の裁判資料を、法務大臣が指定して検察庁が期限を定めずに保存する制度で、昨年末の時点で854件が指定されています。

ただ、調査や研究に必要な事件の記録が廃棄されているという指摘があることを踏まえ、法務省が保存の在り方の検討を進め、このほど対応方針をまとめました。

新たな方針では保存の対象に、検察審査会の議決によって強制的に起訴された事件を新たに追加するほか、主要な全国紙の一面に掲載された事件や、最高裁判所の判例集に掲載されている事件などについても、保存を検討するよう、具体的な基準を定めています。

また、外部から資料を保存するよう要望があった事件については、検察庁が一度、指定しないと判断した場合でも、有識者の意見を踏まえて、法務省が改めて判断するよう、手続きを見直します。

上川法務大臣は「指定の在り方を改善することで指定されるべき事件が漏れなく指定されるように、取り組みを進めていきたい」と述べました。