広島県 感染拡大防止の集中
対策 来月7日まで延長決定

広島県は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための集中対策について、新規感染者が高止まりの状態にあるとして今月17日までの期間を、来月7日まで延長することを決めました。

広島県は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための対策を今月17日まで集中的に実施することにしていますが、14日の対策本部会議で期間を来月7日まで延長することを決めました。

広島市でステージ4の状況が続くなど新規感染者が高止まりの状態だとして、広島市には政府が出した緊急事態宣言に準じた対策を行い、県内のほかの地域でも対策を実施します。

酒類を提供する飲食店に要請している営業時間と酒類の提供時間の短縮については、対象地域が広島市の一部から全域になり、対象となる施設も喫茶店などにも拡大します。

県は営業時間を午前5時から午後8時までに短縮し、酒類の提供は午前11時から午後7時までとするよう要請するとしています。

要請に応じて期間中に休業したり、営業時間を短縮したりした場合には1店舗当たり126万円の協力支援金を支給することにしています。

また、広島市内のイベントについては人数の上限を収容人数の半分か5000人の少ないほうとするとともに、開催時間を午後8時までに短縮するよう働きかけるとしています。

このほか県内全域で人と人との接触機会の8割削減や、職場での出勤者の7割削減を目標として実施することを決めました。

これについて広島県の湯崎知事は、記者会見で「県民の皆様にはご負担をおかけして大変申し訳ない。対策を進めることで、できるだけ早く社会経済活動を再開できるようにしていきたい」と述べました。

湯崎知事「国が決定しだい対策進めたい」

政府が緊急事態宣言に準じる措置をとる地域として、広島市を対象とする方向で最終的な調整を進めていることについて、広島県の湯崎知事は記者会見で「広島市で新規の感染者数が高止まりしていることについて西村経済再生担当大臣と相談してきた。国の決定がありしだい、支援策が国から出るので、対策を進めていきたい」と述べました。

西村経済再生相“広島市は宣言対象と同様”財政支援へ調整

西村経済再生担当大臣は記者会見で、感染状況が悪化している広島市について緊急事態宣言の対象地域に準じた措置が必要だとして、宣言の対象地域と同様の財政支援を行う方向で最終調整を進める考えを明らかにしました。

緊急事態宣言が出されていない地域への対応をめぐり、政府は、感染が急速に拡大し「ステージ4」に近づきつつある場合は、宣言の同様の措置として財政面での支援を拡充することにしています。

西村経済再生担当大臣は、記者会見で「広島市の厳しい感染状況と病床のひっ迫状況を広島県と確認した。広島市を宣言に準じた措置を講じる団体とする方向で検討を進めたい」と述べ、広島市に対し、宣言の対象地域と同様の財政支援を行う方向で最終調整を進める考えを明らかにしました。

対象になった場合には、広島市では、
▽飲食店の夜8時までの営業時間短縮、
▽テレワークによる出勤者数7割減、
▽不要不急の外出や移動の自粛、
▽スポーツ観戦などの入場制限が実施されることになります。

これに伴って、政府は、営業時間の短縮要請に応じた飲食店への協力金を1日あたり6万円に引き上げることなどへの財政支援を行うことになります。

広島 大規模なPCR検査実施へ 最大80万人対象

新型コロナウイルスの感染拡大が続く広島市で、住民などを対象にした大規模なPCR検査が行われることになりました。検査を実施する広島県は対象を最大で80万人と見込んでいて、こうした大規模な検査は全国的にも異例です。

広島市は人口10万人当たりの新規の感染者などが感染状況が最も深刻な「ステージ4」の指標を超えていて、政府は、広島市に対し緊急事態宣言の対象地域と同様の財政支援を行う方向で最終調整を進めています。

広島県は感染を封じ込めるため症状がない人にも検査を受けてもらおうと、広島市で大規模なPCR検査を実施することになりました。

対象は特に感染者が多い、中区、東区、南区、西区の住民およそ60万人とこの地域で働くおよそ20万人の最大およそ80万人と見込んでいて、費用の自己負担はないということです。

県はできるだけ早期に実施したい考えで、具体的な方法について検討しています。

こうした大規模な検査は全国的にも異例で、広島県の湯崎知事は14日の記者会見で「検査は強制ではなく、あくまで任意だが、感染拡大防止のため積極的に受けていただきたい」と述べました。

専門家「陽性後の入院先など確保必要」
公衆衛生学が専門で国際医療福祉大学の和田耕治教授は「症状がある人の検査をまずは優先すべきだが、無症状の人も幅広く検査をするのであれば、きちんと説明するとともに陽性後の入院先や療養場所の確保をセットで行う必要がある」と話しています。

広島県 14日の感染確認 48人に 死亡は4人

広島県内では14日、広島市や福山市などで39人の感染が発表されていて、これで合わせて48人の感染確認となりました。

これまでの広島県内での感染確認は延べ4271人となりました。

また、広島市は新型コロナウイルスに感染し県内の医療機関に入院していた2人が13日、死亡したと発表しました。
福山市は新型コロナウイルスに感染し市内の医療機関に入院していた2人が今月5日と11日に死亡したと発表しました。
広島県内で新型コロナウイルスに感染し死亡した人は66人になりました。