後期高齢者の医療費 現役の
負担 5年後1兆4千億増も

後期高齢者の医療費の窓口負担の引き上げをめぐって厚生労働省は、75歳以上の人の医療費を賄うために現役世代の保険料で負担する支援金の総額が、今の制度のままであれば、5年後には現在よりも1兆4000億円増えるという見通しを示しました。

現役世代の負担上昇を抑えるため、政府は75歳以上の後期高齢者の病院などでの窓口負担を、今の原則1割から、一定の所得以上の人は2割に引き上げる方針で、引き上げの対象となる所得の線引きについて検討を進めています。

26日、開かれた社会保障審議会の会合で厚生労働省は、75歳以上の人の医療費を賄うために、現役世代の保険料で負担する支援金の総額が、今の制度のままであれば、今年度の6兆8000億円から、5年後には1兆4000億円増え、8兆2000億円になるという見通しを示しました。

そのうえで、支援金の伸びを抑え、現役世代の負担軽減を図るために窓口負担を引き上げる必要があると説明しました。

これに対し出席者からは「今、改革しなければ現役世代の負担は急速に増え、先送りは絶対にしてはならない」という意見の一方、「新型コロナウイルスの感染拡大で国民が不安な時期に、さらに不安にさせる施策を決めてよいのか」などの指摘が出され、引き続き、議論することになりました。