会けんぽ」
約5400億円の黒字

中小企業の従業員らが加入する医療保険「協会けんぽ」の昨年度・令和元年度の決算は、解散が相次いだ「健康保険組合」からの移行者が増加して保険料収入が増えたため、およそ5400億円の黒字となりました。

中小企業の従業員やその家族ら4000万人余りが加入する「協会けんぽ」を運営する全国健康保険協会によりますと、昨年度の収入は前の年度よりも5235億円多い、10兆8697億円でした。

これは大企業の従業員らが加入する「健康保険組合」で、財政悪化によって解散する組合が相次ぎ、国が補助金を出している「協会けんぽ」への移行者が増加して、保険料収入が増えたことなどによるものです。

一方、支出は保険給付費と高齢者医療への負担金がいずれも増加し、前の年度より5785億円多い10兆3298億円となりました。

この結果、昨年度の収支は5399億円の黒字となりました。

ただ、全国健康保険協会では今後、高齢者医療への負担金の増加傾向がさらに進むことに加え、新型コロナウイルスの影響で保険料収入の減少も予想されることから、財政は極めて厳しい局面を迎えるとしていて、引き続き、医療費の適正化を進めることにしています。