り土マップ」
自治体の3割が未公表

1年前の北海道の地震では、盛り土で造成した土地で液状化や宅地の被害が相次ぎました。国は全国の自治体に対し、こうしたリスクを示す大規模な盛り土のマップを作成し、公表するよう求めていますが、およそ3割の自治体が公表していないことがわかりました。

谷や沢を埋めたり、斜面に土を盛ったりしてできた「盛り土造成地」は、地震の強い揺れで地すべりや液状化が起きることがあり、去年の北海道の地震では、札幌市清田区や北広島市などで住宅が傾いたり道路が陥没したりする被害が相次ぎました。

こうしたリスクのある土地をすべての住民が知る必要があるとして、国土交通省は自治体に対し、面積が3000平方メートル以上あるなど大規模な盛り土で造成された地域を示すマップを作成し、公表するよう求めています。

しかし国土交通省が調べたところ、全国の市町村と東京23区あわせて1741の自治体のうち、ことし3月までにマップを公表していない自治体は473市町村で、およそ3割に上っていたことがわかりました。

公表していない自治体の9割以上はマップの作成もできていなかったということです。

マップの公表状況を都道府県ごとに見ると、
▽東京や大阪など16の都府県は100%でしたが、
▽沖縄県や佐賀県は0%、
▽千葉県はおよそ11%、
▽岡山県はおよそ15%などと、自治体によって大きく差が開いています。

マップの公表率が低い自治体からは「人員や費用が足りず作成できない」「公表で地価の下落が懸念される」などといった声が上がっているということです。

このため国土交通省は、自治体に代わってマップを作成することや、補助金を充実させるなど、引き続き自治体への支援に力を入れていくことにしています。

国土交通省は「事前にリスクを知ってもらうことで住民の災害対策や避難行動をにつなげることが重要で、支援だけでなくマップ作りの重要性の周知も進めていきたい」と話しています。