日中韓首脳
何を語ったのか

9日、東京で、安倍総理大臣、中国の李克強首相、韓国のムン・ジェイン大統領による日中韓3か国の首脳会議が開催されました。

李首相、ムン大統領ともに、日本を訪れるのは、就任後初めてで、中国の首脳が日本を訪れるのは、2011年5月の当時の温家宝首相以来、7年ぶり、韓国首脳の来日は、2011年12月の当時のイ・ミョンバク大統領以来、6年半ぶりとなります。
また、日中韓3か国の首脳会議は、2015年11月に韓国で開催されて以来、2年半ぶりです。

日中韓首脳会議の焦点は

今回の日中韓3か国の首脳会議、焦点は何か、整理してみました。

史上初の米朝首脳会談が迫る中で行われますので、会議では、東アジア地域の平和と安定を図るため、具体的な方策について意見が交わされる見通しです。
まずは、先月27日に行われた南北首脳会談の評価です。北朝鮮の核問題について「完全な非核化」を目標と確認した点を、日本、中国ともに一定の評価をしていますので、同様の認識で一致するものとみられます。
ただ、北朝鮮への具体的な対応では温度差もうかがえます。
日本は、最大限の圧力を維持しながら、完全で検証可能かつ不可逆的な方法で、非核化を実現すべきだとする立場です。これに対し、中国は、国連安保理の制裁決議を着実に履行する姿勢を示す一方、対話も重視しています。
非核化に向けた緊密な連携では一致すると見られますが、どこまで踏み込んだ形で一致できるかが焦点です。
また日本が最重要課題と位置づける拉致問題について、安倍総理大臣は、解決に向けた両国の協力を取り付けたい考えです。

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日中、日韓首脳会談のポイントは

日中韓3か国の首脳会議のあと、安倍総理大臣は、ムン大統領、李首相と個別に首脳会談を行うことにしています。

中国ですが、関係改善の流れを確かなものにするため、両国の幅広い分野で協力を強化するための覚え書きなどがとり交わされる見通しです。
具体的には、◇第三国での民間経済協力を推進するため、新たに官民合同の委員会を設置することや、◇海上や空での偶発的な衝突を避けるため、緊急時に連絡を取り合う「連絡メカニズム」の運用を開始すること、そして◇野生のトキの保護協力を継続実施することなどで正式に合意する見通しです。
関係拡大をいっそう加速させ、安倍総理大臣の中国訪問、さらには習近平国家主席の日本訪問につなげられるかが注目です。

また韓国ですが、慰安婦問題をめぐる日韓合意など2国間の課題で意見の隔たりがある中、安倍総理大臣は、未来志向の関係構築に向けて、首脳間の相互訪問の再開につなげたい考えです。

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